11月20日、モンキーワークスさん主催の「サービスデザインとUX in Nagoya」に参加してきました。あるサイトの公開が間近でアウトプットが遅くなってしまいましたが、最近少し落ち着いたのでブログに書こうと思います。
ユーザーエクスペリエンスとは何か?(安藤昌也先生)
最初に千葉工業大学の安藤昌也先生による「ユーザーエクスペリエンスとは何か?」という講演を聞きました。具体的な事例(スライドには先生のお母さんまで登場!)を交えて教えて下さいましたが、とにかくわかりやすくて、楽しみながら学べました。
UXというと我々製作者はどうしてもインターフェイスの動きなどに目が行きがちですが、そうではなく、利用前から利用後、さらには利用時間全体を通して、その製品から得られる体験こそがUX。ユーザビリティなんかも混同して語られがちですが、UXはユーザー側の視点であり、ユーザビリティはモノの品質の話。
ユーザー体験は、ユーザーの心理的要因に左右されるそうで、その心理的要因は2つ有り、興味や知識の有無(製品関与)と操作することへの積極性と自信(利用自己効力感)。ユーザーの使う意欲をいかに高められるかが大切で、それが人が長く物を使う理由だということです。まず期待が先行しているユーザーが非常に大切で、そのユーザーの期待を裏切らない製品を作らないといけないということですね。さらに言うとユーザーが成長していくプロセスを提供しなければいけない。ユーザーは意欲を持って製品に触れ、背景によって評価し意欲を調整していく。その意欲の調整を助けてあげなければいけないということでした。このあたりは分かったような分からないような、とういう感じでこれからも学び続けていかなくてはいけません。
UXの観点をデザインに結びつけるためには、ユーザーが製品を利用した体験を通してどんな感情を抱くのか、体験の感情的評価をどこまで意識してデザインするかによるとのこと。ユーザーは、ユーザーである前に消費者であることがほとんどなので消費体験→利用体験を連続的にデザインしなければいけない。そのとき、いかに長く使い込んでいくことを考えてデザインするかを考えていこうということでした。
UXとUXDに関して。UXとは体験そのものこと、UXDはその体験が量産・最生産される仕組みを作ること。コアリズムというエクササイズのDVDがありますが、非常に良くできていると紹介頂きました。それは、エクササイズがゴールを設定するのではなく、ユーザーが設定したゴールに向かって楽しんで続けられることを意識した作りになっているとのことでした。画面の中に4人の人が並んで踊っているのですが、それぞれレベルが違うらしく、自分のレベルに合わせて投影できる所が印象に残りました。まさに段階に応じてユーザーの成長を促しているのだなと感心しました。
とにかく、UXDとは長期的なUXをデザインすることで、モノやコトのデザインではなく、もっと大きな視点の話なのだと感じました。ユーザーがその製品がもたらす様々なモノやコトに触れてどんな体験をするか、ユーザーにどんな体験をして欲しいか。その製品を欲しいと思ったときから使った後に他の人に話すところまでを想定する。使った人にどうなって欲しいかを考えることを習慣にしていきたいですね。
あと、UXDの知識は特にリーダー的な役割の人に必要な知識であるということでしたが、制作に関わる全員が持っていればそれだけ良い体験を与えられる可能性は高まると思いますので、学んだことを少しずつでも普段仕事をしているチームで共有していきたいと思いました。
サービスデザイン設計法(浅野智先生)
「HCDの理解」のセミナーで教えていただいている浅野先生の講演はサービスデザインについてのものでした。事前にサービスデザインと聞いてなんとなく「根っこ」の部分の話だろうな、と想像していたのですが、やはりとても為になる大切なお話でした。
まず冒頭にオランダ・フィリップス社の「橋をデザインするのではなく、川を渡るシステムを作れ」という言葉を紹介して頂きました(実際に見た人はいないというお話も!)。
僕達はやはり製作者なのでWEBなどのモノから考えてしまいがちですが、ユーザーの目的はモノを使うことではないということです。新幹線の券売機を便利に使いやすくするのではなく、早く快適に移動できる手段を提供してあげることが大切で、その手段として新幹線やスイカなどが用いられるということです。これは最近会社の会議でも話していることですが、どうもメディアありきのセールスになっているようで、そこの意識を変えるのには相当苦労してます。とにかく、全てのモノはコトを成す為の手段で、そのコトはUXの為のものだということです。
また、実は楽に快適に目的が実行されればそれでよいかというと、最近はそうでもないことが分かってきたということでした。それは難しいことを達成することもUXの一つだということです。ゲームや楽器なんかもそうですよね。難しいテクニックを使いこなせるようになるためには、うまくいかなくてイライラしたりもします。昔、それなりにゲームをやっていた頃は「いらいらするならやめればいいじゃん」と何度言われたことか。。。でもそのネガティブな気持も、克服した時や達成したときの気持ちまで含めてUXなんですね。また、ただ単にボケッとしたいことなどもUXであると。
とにかく、僕らがやっている仕事上の様々なことというのはすべてUXに向かっているということ。その中でもHCDの手法は、国際規格であり、最も言語化されていて、新しい手法も次々に取り込んでいるので、これを見ていればだいたい網羅できるんじゃないかということでした。
そしてお話はモバイルファーストについて。アジアやアフリカではPCを持たずにスマートフォンの時代になるとのこと。
モバイルファーストの概念は、
サイトの開発をモバイル端末向けから始める
画面サイズや接続スピードなどの制約が多い
よりフォーカスしたコンテンツ作り(目的志向)
利用の文脈に応じて使えるように情報を作る
「なんでもできる」から「やりたいことをすぐできる」へ
たしかに、スマートフォンを利用するときは、やりたいことがすでにあって、それを実現するために個別のアプリを使う傾向にあります。またブラウザを使ってちょっとした事を調べるのにもPCサイトをスマートフォンで利用すると、情報を探し出すのに非常に苦労したりもします。ネットにつないで情報を得るという行動がどんどん外に出ていき、しかも短く頻繁になっている気もします。そんなときに情報を探し出しにくいとUXが良くないものになってしまうのかなと。
HCDのセミナーの時に教えていただいて、ココロに残っていることの一つに、「ユーザーの欲求は変わらない。変わるのはデバイスだけ」というものがありますが、今回も言及されていました。まさしくそのとおりだと思いますし、要は本質的なところを抑えておかないとデバイスや技術に振り回されてしまうということなのでしょう。
音声認識についても触れられ、目の見えない人のためにやることが字の読めない人のためにもなるということにつながるんだと言われ、ここでもハッとさせられました。以前CAのキャリーバッグについて教えていただいたことと同じですね。結局誰かのために徹底的に取り組んだことが他の人のためにもなるということでした。
最後に、とにかくユーザーの経験をデザインすることが重要で、それにはユーザーの事を知らなくてはいけない、それをよく考えること。それが積もっていくんだよ、と教えて頂きました。とにかく実践することも大切だ、とも。
ワークショップ|最悪の旅
講演のあと、数チームに分かれてワークショップに。今回はNHKのスタンフォード白熱教室でも行われたという「最悪の旅」をテーマにしたものを実践することに。このワークショップは相当面白かったですね。慣れていないこともあって最初はぎこちないのですが、後半はアイディアがスムーズに出るようになって、それもまた良い経験を得られました。
まず、起こりうる最も最悪な旅を考えることから始めました。
だいたい彼女と別れるとかそういう感じになるのですが、チームによってはライオンに食べられるとか、霊が出るとか。。。ここで感じたのが、やはりどうしても常識の範囲に収めてしまうということです。それとアイディアを出すことを楽しめてない。少し遠慮してしまって、面白い事を言ってやろうという空気を作れませんでした。初対面の人もいますし、難しい所もありますが、それでもそういう空気を作れるような人間になりたいと思いました。
最悪の旅を考えてまとめ、チームごとに発表します。
次にその最悪の旅のプランを隣のチームに渡し、最高の旅に変えるアイディアを出し合います。この頃になるとチームのメンバーも少しずつ慣れてきて、積極的に発言していました。最後には良いアイディアも出せ、自分たちは満足できたと思っています。
また、他のチームの発表を見ていて本当に感心することが多く、そこも含めてとても刺激になりました。
まとめ
今回のセミナー&ワークショップでは、HCDより突っ込んだ、もっと根本的なところに触れられたと思います。
仕事をしていく上で最も重要なところは誰かの生活をハッピーにすることだと思いますが、どうしても製作者はモノに目を向けがちです。WEBだったり印刷物だったり、プロダクトだったり。しかしそれらのものは、何かを成すための手段でしか無いということを常に意識し、習慣化することが大切だということを再確認できました。お客さんが何に不自由を感じていて(場合によっては気づいていないことも多い?)それをどうやったら解決できて、その解決する過程で僕らに何が出来るのか。その根本的なところを考え続けずモノからの発想になってしまうと、時代が変化したときに選ばれなくなってしまうという危機感を持って仕事に取り組んでいきたいと思います。
2011年12月9日金曜日
2011年10月4日火曜日
【坂本流】IAワークショップ(名古屋)
IAシンキングの著者、坂本さんのワークショップに参加してきました。色々教えていただいたので出しておこうと思いますが、ワークショップがネタバレ禁止ですので感想にとどめておきます。
IAとは探しやすくすること
事前に情報デザインについての本も読めていたので、情報デザインとIAの違いについては朧気ながら理解できていました。この情報が溢れている時代だからこそ、IAが必要だということ。さらに情報を構築する上でのコンテキストの重要さを再認識させられました。ユーザーやコンテンツはもちろんですが、自分にはコンテキストの考え方が一番欠落しているのでもっと意識して取り組んでいきたいと思いました。
IAの活かし方
懇親会でもお話をさせていただいて更に理解を深められたと思いますが、特に印象的だったのは、「IAはベースになる部分であり、それ自体では受注できない」ということでした。言われてみれば全くその通り。実際の業務でIAを意識したサイトの提案をしたのですが、先方からは「面白くないね」の一言。しかし今考えればそれもそのはずで、IAは当然のように意識してしかるべきスキルであり独自性は出しにくいものだということです。
IAを意識していると画面構成がどんどん王道になっていくもので、それはベースとして当然クリアしておいて、そこからどうするかで仕事を取りに行かなければいけないということをアドバイスして頂きました。
その他にもいろいろと
それと、直接IAとは関係ないのですが最近特に強く感じていたことであり、みなさんと色々お話していて想いを強くしたことがありました。
それは「運用前提での受注」を目指さなければならないということ。確かに我々のような小さな組織では難しいことなのかも知れませんし、運用には解析とIAの両方が必要(その他諸々あると思いますが、とりあえず。)となります。しかし「運用前提での受注」なくしては良いものを作ることも、組織を維持するのも難しいとのかなと思います。実現するために組織としてどうすれば良いのかを考えさせられました。
スマホについて
坂本さんにはスマホについても色々とお話をして頂きました。モバイルファーストについてなど、実際の業務に活かせるお話をたくさん聞けたので今後の業務に取り入れていきたいと思おいます。
IAとは探しやすくすること
事前に情報デザインについての本も読めていたので、情報デザインとIAの違いについては朧気ながら理解できていました。この情報が溢れている時代だからこそ、IAが必要だということ。さらに情報を構築する上でのコンテキストの重要さを再認識させられました。ユーザーやコンテンツはもちろんですが、自分にはコンテキストの考え方が一番欠落しているのでもっと意識して取り組んでいきたいと思いました。
IAの活かし方
懇親会でもお話をさせていただいて更に理解を深められたと思いますが、特に印象的だったのは、「IAはベースになる部分であり、それ自体では受注できない」ということでした。言われてみれば全くその通り。実際の業務でIAを意識したサイトの提案をしたのですが、先方からは「面白くないね」の一言。しかし今考えればそれもそのはずで、IAは当然のように意識してしかるべきスキルであり独自性は出しにくいものだということです。
IAを意識していると画面構成がどんどん王道になっていくもので、それはベースとして当然クリアしておいて、そこからどうするかで仕事を取りに行かなければいけないということをアドバイスして頂きました。
その他にもいろいろと
それと、直接IAとは関係ないのですが最近特に強く感じていたことであり、みなさんと色々お話していて想いを強くしたことがありました。
それは「運用前提での受注」を目指さなければならないということ。確かに我々のような小さな組織では難しいことなのかも知れませんし、運用には解析とIAの両方が必要(その他諸々あると思いますが、とりあえず。)となります。しかし「運用前提での受注」なくしては良いものを作ることも、組織を維持するのも難しいとのかなと思います。実現するために組織としてどうすれば良いのかを考えさせられました。
スマホについて
坂本さんにはスマホについても色々とお話をして頂きました。モバイルファーストについてなど、実際の業務に活かせるお話をたくさん聞けたので今後の業務に取り入れていきたいと思おいます。
2011年9月6日火曜日
情報デザイン入門
かなり古い本ですが、読みました。
言い回しや名称が違うものもありますが、初版は2001年なのにUX、NUI、HCD、LATCH、IAやコンテクストについて等、まさに今学んでいたり興味がある内容が出てきます。また、事例がかなり多く載っていて少し時代を感じる部分もありますが、サラっと読めるので機会があれば目を通すのも良いかも知れません。
データはあるコンテクスト(文脈・状況)のなかに置かれることによって理解できる情報となる。
情報デザインはコンテクストを組み立てる作業であり、身の回りにあふれるデータ・コンテンツに「まとまり」をつけ、何らかの秩序=コンテクストを作り上げる行為はすべて情報デザインである。
情報デザインは「他社への伝達」や「共有」つまりはコミュニケーションの為に用いられることを前提としている。
言い回しや名称が違うものもありますが、初版は2001年なのにUX、NUI、HCD、LATCH、IAやコンテクストについて等、まさに今学んでいたり興味がある内容が出てきます。また、事例がかなり多く載っていて少し時代を感じる部分もありますが、サラっと読めるので機会があれば目を通すのも良いかも知れません。
第1章 情報にまとまりをつける
本棚整理からウェブサイトの構築まで
モノ・コトの背景にある意味を捉える
例えば天気予報は、各種のデータに基づいて予報機関が立てている。もし伝えられるのが「むき出しの」気象データそのものだとしたら全国の気象がどう変化しつつあるか、自分の住む場所の天気がどうなるかなどを理解するのは無理。内容(コンテンツ)と文脈(コンテクスト)
情報デザインとは身の回りにある膨大なデータを価値のある分かりやすい情報へと変換していくための作業。データは他のデータとの繋がり=関係を持つことによって情報へと生まれ変わる。データはあるコンテクスト(文脈・状況)のなかに置かれることによって理解できる情報となる。
情報デザインはコンテクストを組み立てる作業であり、身の回りにあふれるデータ・コンテンツに「まとまり」をつけ、何らかの秩序=コンテクストを作り上げる行為はすべて情報デザインである。
情報デザインは「他社への伝達」や「共有」つまりはコミュニケーションの為に用いられることを前提としている。
5つしかない情報の組織化の方法
情報にまとまりをつける整理=組織化の方法にはたった5つの基準しか無い
【カテゴリー】
- 商店やスーパーマーケットでの商品分類の仕方
- 図書館の蔵書の並べ方
- 会社組織での商品やサービス、業務内容による部署分け
- 歴史年表
- テレビの番組表
- 個人の手帳、スケジュール表、カレンダー
- マンガ、物語、映画
- 美術館や博物館の展示・ナビゲーション
- 地図
- 建物の案内図
- 物事の関係性(学問領域の広がりや人物の相関図等)
- 辞書、百科事典、電話帳
- 各種グラフ
- 新聞の記事の大きさ
情報やモノは必ずある基準によって何らかのコンテクストに織り上げられている。コンテクストがどんな基準で構成されているかを発見できればわかりにくいと感じていた情報を理解する手がかりが得られる。また、なぜその情報がわかりにくくなっているのかにも気づく。
電話帳を新しくデザインし直す
リチャード・ワーマンの情報デザインの一例「スマート・イエローページ」
それまでは電話帳といえば人名や職業分類をアルファベット順に組織化したものがほとんど。電話帳はある地域の膨大な情報が蓄積されたデータベースであるにも関わらず、情報を組織化する基準が画一的すぎる為に、その基準とは違う基準でアクセスすると使い勝手が悪かった。
ワーマンは2300以上あった職業分類をもっとざっくりとしたカテゴリーにまとめた。
ワーマンがこの仕事で行ったのは「コンテクストのデザイン」としての情報デザイン。
本棚づくりは情報デザインのレッスン
「カテゴリー」はいくらでも主観的に組み立てていくことが可能。「カテゴリー」による組織化には「落とし所」が存在する。ある人の主観で組織化されたカテゴリーが、他の人にとっても有益で受け入れられるということは、両者にとって何らかの共通理解が存在していなければならない。カテゴリーで区分けした情報を提示することは、その受け手との間に共通の土俵にたったコミュニケーションが成立することでもある。
例:往来堂書店では書棚の文脈を編集してある。本と本が織りなす内容やテーマ的な関係性を重視して棚の配列を考える。
本という情報の「かたまり」を空間的にレイアウトすることは、情報デザインにとって極めて重要なエクササイズになる。
情報は「かたまり」となって存在し、ひとつの情報の「かたまり」は他の「かたまり」とつながることを求めている。情報の「かたまり」同志の繋がりをどう組み立てるかが情報デザインの基礎。
ウェブデザインは「情報の建築」を建てること
ウェブページの「見た目」ではなくサイトの構造全体を考慮しながら、ユーザーにとっての使い勝手を高めるデザインをしていく上で欠かせないのが「情報アーキテクチャ」という方法論。情報アーキテクチャはウェブサイトを情報の「かたまり」でできた建築物のように組み立てていくアプローチ。
情報アーキテクチャの四要素
①情報の組織化
情報を組織化するには、情報の「組織体系」と「組織構造」のふたつを考慮する必要がある。情報の組織体系は、情報の中身をある共有特性を持った「かたまり」として整理する基準のこと。情報構造とは「かたまり」として整理された情報同志を互いに結びつけていく際の構造のこと。
②ナビゲーションシステム
ナビゲーションシステムはサイト内での迷子状態を防ぐための仕掛け。幾つかの方法の中からそのサイトに相応しいものを見極めて採用する。
③ラベリングシステム
情報の「かたまり」のなかにどんな中身が含まれているのかを示すための方法。あまりにユニークすぎるラベルをつけるとユーザーが理解できなくなるので、ユーザーの視点に立って誰にでも分かりやすいラベルをつけることは情報の組織化やナビゲーションの効果を左右する非常に重要な要素となる。
④検索システム
サイト内の検索システムを適切な形でデザインするためには、サイト全体における情報のブラウジング(拾い読み)の仕組みと検索システムの関係を密接なものとして捉え、検索システムを手助けする工夫やインターフェイスを作る必要がある。
サイトを訪れる人の「経験」をデザインする
ユーザビリティとはユーザーの視点や発想に立ってシステムやインターフェイスの開発や改良を進めていこうという考え方。
【ニールセンによる、ユーザビリティ評価のポイント】
- 学習しやすさ
- 効率性
- 記憶しやすさ
- エラーの少なさ
- 主観的満足度の高さ
これらのポイントを達成するには「ユーザビリティテスト」を行うことが不可欠。
何かをデザインする場合、それを使う人の特性やその人が置かれた状況を理解していくことは、自分のデザインを他者の目からもう一度見つめ直し、「本当にデザインすべきことは一体なにか」をはっきりさせるために不可欠なこと。インタラクティブ(対話型)な情報メディアのデザインを行う場合には、自分が作る対象だけでなく、それを使うユーザーの「使う」という経験まで含めた「かたち」を頭に描いておくことが欠かせない。
「見えないデザイン」は山のようにリスト化出来る。そして「見えないもの」とは「経験」に他ならない。
第2章 見えない空間の地図を描く
速度の地図からネットの地図まで
速度が歪めた日本列島
杉浦康平氏の「時間軸変形地図」は情報デザインの最も優れた事例の一つとして数えられる。
情報デザインにとって地図という表示形態は最も重要。モノ・コト同士の「関係」を明らかにし、その関係をより分かりやすい「かたち」に変換する。
地形図では現実の地形に含まれている情報を取捨選択し、そのなかで使い手にとって価値のあると思われるものだけを「かたち」に表すという情報デザインが行われている。現実にある複雑な情報を思い切って抽象化することで、逆に重要な情報だけを浮かび上がらせることが、地図という表現のエッセンスである。
「大正の広重」が描いた情報地図
吉田初三郎の名所図絵の鳥瞰図は大胆なデフォルメが施されている。デフォルメは、現実の空間を歪めてしまうが、必要な情報は綿密に書き込まれ、現実には絶対に見えない形の表現でも奇妙なリアリティを感じさせる。
地図は現実の地形やその上に広がる人間の活動の舞台(都市や道路など)を「ありのまま」に描写するのではなく、そこには必ず「編集」という取捨選択が働いている。
私たちが何らかの活動の手がかりとして、そして世界というものを認識するために欠かせない情報だけを抽出し、それをわかりやすく視覚化することが地図という情報デザインの本質。
情報を伝える4種類の地図
①ロケーターマップ
あるモノ(建物など)がどんな場所に存在しているかを他のものとの関係の中で示す地図。
- 観光マップ・オフィスなどの施設案内図
- ロードマップ
- ルートマップ
- インセットマップ
②データマップ
統計上の事実、あるいは数値を表すための地図。
- 中学高校で使う地図帳にあるようなデータを重ね合わせた地図等
③スケマティクスマップ
ある地点から別の地点にどのように行くかを簡略化してわかり易く表現した地図。
- ロンドンの地下鉄路線図等
④シークエンスマップ
物事の展開や変化などのプロセスを時間と空間の広がりの中でチャート化して示した地図。
情報という目には見えないモノ・コトに「かたち」を与えるデザインの営みにとって、地図というツールは強力な武器。
第三章 時間で変化する情報をデザインする
スケジュール管理から地域のフィールドワークまで
情報をデザインする要素としての時間
情報の殆どは時間の経過と共に変化している
- 時間軸変形地図
- ナポレオンのモスクワ遠征地図
年表は時間ー情報のデザインでは最もポピュラーは表現方法だが、わかりづらいものが多い。
デザインとは何らかの「かたち」を見出す作業。
- ゼロから作り出す
- 既存のものになにか付け加える、作り変える
- 眼に見えないところにあるモノ・コトを見えるように浮かび上がらせる、引き出す
これらによって優れたデザインが立ち上がることがある。
第四章 よりわかりやすく、使いやすく
道具とインターフェイスのデザイン
人と道具を「仲立ち」する部分
インターフェイス=2つのものの間の接点・境界であり、コンピュータ・情報機器のインターフェイスは人間とそれらが接する部分のこと。人と道具の仲立ちをする部分であり、ここで情報を分かりやすい形で示し、道具をより使いやすくすることが情報デザインにとって大きなテーマ。
あらゆる道具にインターフェイスがあり、インターフェイスの出来不出来は道具の使い勝手を左右する最も肝心な条件。ひとと道具の関係を改善する優れたインターフェイスを作ることは、これからの情報デザインにとって見逃すことのできないテーマ。
呪文からマウスへ、そして
パソコンの例)
コマンド→GUI(マウス、ウインドウ表示等)
GUIを構成する用を、WIMP(ウインドウ、アイコン、メニュー、ポインティングデバイス)はハードルが高い。コンピュータは多くの人に道具への習熟を求めすぎ、誰もが気軽に使える道具になっていない。インターフェイスに関する限りまだまだ未熟な段階と言える。GUIに変わる新しい情報のインターフェイスが求められている。
関わり合いをデザインすること
これからの情報を操る道具立て=インターフェイスのデザインは、画面の中にある仮想の世界を綺麗にわかりやすく作り込むだけでなく、人間が持つ全体的な経験そのものに深く入り込んでいく。人間を中心として人間を取り巻く道具や環境との「関わり合い」をデザインするという姿勢。情報のインターフェイスをめぐるデザインは、人間の生活環境全体のデザインと大きく関わっていくこととなる。
「万能デザインツール」としてのレゴ
レゴの凄さは、シンプルな原理の組み合わせによって非常に多様な物が作れることと、多様な組み合わせを可能にする前提の、徹底した規格化・標準化である。
レゴ・マインドストームの例)レゴに同じ規格に基づいたモーター・センサー・CPUを加えたもの。パソコンの専用アプリによってコマンドのアイコンを並べていくだけでプログラムを作るもの。マインドストームのプログラムは非常に優れた情報デザインの実践例。
使い手の欲求にきめ細かく対応するデザインの究極は、使い手が自ら欲しい物をデザインできる環境を提供すること。
第五章 環境と体をめぐる情報デザイン
生きている世界を実感するデザイン
生きている世界を感じる道具
人間が情報デザインの束・結束点である。しかし情報は人為的なものだけにとどまらず、物理的な世界が既に豊かな情報で成り立っている。
例)風鈴:風鈴が表現しているのは「風が吹いている」という事実
日本家屋はインターフェイス的建築の元祖
日本家屋を構成する部屋には、予め決められた機能や意味付けはなく、「文脈依存的」だった。日本家屋はPCのように目的や状況に応じて様々に機能を拡張できた。日本の伝統的な空間は、その空間自体で完結するのではなく、あちこちに情報のクリッカブルポイントがあり、人が自らのソフトウェアを働かせてそれらのポイントをクリックすることによって、外の環境や過去の文化的な資源へとアクセスしていけるような情報デザインが施されていた。
人に属するソフトウェアを重視する日本文化は、使い手である人の知識や経験によって機能が決定されていく道具のデザインにも反映されている。
この世界に情報は充満している
忘れてはならないのは、この物理的な世界そのものが最初から豊かな情報空間であるという「アフォーダンス」という考え方。環境の中にある全てのものは、動物に「与える情報」としての「アフォーダンス」を持っている。あらゆるものにはいくつものアフォーダンスが含まれているのであり、人はそうしたアフォーダンスを探り当てることによってそのモノの使い方を自らデザインしている。
アフォーダンスに満ちたデザインを
アフォーダンスの特徴がうまく使われていれば、何をしたらよいかはちょっと見ただけでわかる。絵やラベルや説明の文章も必要ない。
人は潜在的に物の使い方をデザインする力を身に付けている。したがって良いデザインを目指すなら、人が自ら持っている「使い方のデザイナー」としての側面を無視することはできない。本当に効果的なデザインを行うためには、デザイナーが、それが必要とされている場所に赴き、そこで活動している人と一緒に問題を探り当てるプロセスを踏む必要がある。
情報デザインとは、いきなり「かたち」を描くことから始まるのではなく、デザインを必要としている場所で活動している人の経験の実相をすくいあげることから出発するべき。
ユニバーサルデザインの出発点には私たちの感覚や体験の世界が極めて多様で複雑であるというアフォーダンスのような視点が前提となる。情報デザインは実体のあるそのもの自体を対象にしたデザインではないが、その前提にある「環境と身体の関わり合い」の問題を忘れてはならない。
第六章 社会に開かれていく情報デザイン
コミュニティをめぐる関係の情報デザイン
目に見えない関係を「かたち」にする
デザインとは、モノや空間などの表面的な「すがた」「かたち」を操作することではない。見えるものの背後にある「見えないもの=情報」をいかに捉えるか、ということからデザインの行為は始まる。
- 情報は「かたまり」で存在する。
- 「かたまり」同士の関係性を整理していく。
- 整理された「かたまり」を誰の目にも分かりやすい「かたち」に表す。
情報デザインは全てのデザインに通じる共通のプラットフォームである。情報デザインが捉えるべき「見えないもの=情報」とは「関係性」に他ならない。
インターフェイスやアフォーダンス、センスウェアも大切。人間と情報にまつわる色々な関係性に光をあてることが、情報デザインの本質である。
私たちはユーザーではない
私たちは「道具のユーザー」ではなく、目的や経験を得るための手段として道具を使う。
2011年8月17日水曜日
HCDの理解2011[初級編Vol.5] ペルソナ/シナリオ法
HCDの理解2011[初級編Vol.5] ペルソナ/シナリオ法 構造化シナリオ法とペーパープロトタイピング に参加しました。
今回はお盆前でバタバタしていたこと、自分の仕事環境が変わったことなどもあってブログ更新が遅くなってしまいました。
またセミナー開催日が月に一度の出勤日で、午前中の営業会議に出席した後早退させてもらい大急ぎで会場に向かうという強行軍。結局座学には間に合わず、WSの途中からの参加。到着したらすでにWSが始まっていて、チームのメンバーが頭をひねっているところでした。
ただでさえハードな内容なのに今回は2回分を1回でこなさなければいけないことと、先生の講義を受けられなかったことで状況や内容を理解するのに相当時間を要し、少し残念な立ち上がりとなりました。
バリューシナリオの設定
前回作成したペルソナシートを元に起こりうる状況を想定して、ペルソナの行動特性をもとにした、より具体的な状況(シーン)を3〜4つ設定します。
このあたりの設定は、まずビジネスニーズ有りきだろうと思いました。ペルソナを作っている時も感じましたが、結局ビジネスニーズがないと僕らの判断や想像で済ませてしまうことが多くなってしまいます。課題となるサイトを設定した時点で、事務局側でビジネスニーズも設定してもらったほうが色々スムーズに行くだろうと思いました。
アクティビティシナリオ作成
アクティビティシナリオは、バリューシナリオ設定で作ったシーンを掘り下げたもので、シーン→アクティビティシナリオ→タスクの設定という流れで進みます。ここまで来ると第3回の内容とつながってくる感じがわかりました。
また、タスク設定にインターフェイス用語を使ってはいけないというのが面白くもあり、納得できるものでした。WEBを使ってきた人はそれを中心に考えがちでそれが問題になるとのこと。またアクティビティシナリオは時代を超えて不変のもので、メディアや媒体を置き換えても成立しなければならない。この二点は非常に勉強になりました。
インタラクションシナリオの設定
アクティビティシナリオとタスクの設定が終わると、本来ならインタラクションシナリオの設定に入ります。しかしWEBの場合は必要ないとのことで割愛。プロダクトの場合はここもしっかりやるようです。
ストーリーボードの作成
タスクをもとにUIをワイヤーフレームで制作し、使用感や問題点などをチェックしていきます。IDEO社ではできるだけラフに作ったほうがデザインの本質が分かりやすいと言っているというお話がありましたが、先生がラフと雑は違うぞーと仰っておられました。ラフと雑は言葉にすると違いがわかるのですが、実際は意識できてなかったのでこれも勉強になりました。
また本来はタスクの数だけ作るとのことですが、時間もないので1つだけ選定してストーリーボードに落としこんで行きました。その後ウォークスルーもするとのことでしたが、先生が徐に近づいてきて前触れ無く講評を開始し、全チーム終わったところでWSも終了となりました。
まとめ
とにかくこのセミナー・WSは時間が足りませんでした。先生にわざわざ足を運んでもらわなければいけない点や、参加者数の問題等もあるので仕方のないことですが…。
しかし時間をかけたからと言って一度の受講で理解できるようなものではなく、実務に落としこんでいくうちに徐々に身につくのだろうと思いました。とにかく「一回やっとく」ことが重要で、学ばなければいけないことがわかった、ということが最大の収穫だったと言えるかも知れません。それにカードソートを繰り返し行なったことで、カードソートの重要性について実際に理解できたことも大きかったです。
HCDはWEBに限定されるような知識ではなくて、とにかく使う人の事を中心に考えるというもの。学生時代プロダクトデザインを学んでいた頃にはバリアフリーからユニバーサルデザインに、と言っていた頃だったので当時はまだこの考え方は広まっていなかったのでしょうが、時間に余裕のある学生のうちに何周かやっておくと非常に勉強になると感じました。
もし今年まとめのセミナーが開催されるのであれば、ぜひ参加したいと思っています。
今回はお盆前でバタバタしていたこと、自分の仕事環境が変わったことなどもあってブログ更新が遅くなってしまいました。
またセミナー開催日が月に一度の出勤日で、午前中の営業会議に出席した後早退させてもらい大急ぎで会場に向かうという強行軍。結局座学には間に合わず、WSの途中からの参加。到着したらすでにWSが始まっていて、チームのメンバーが頭をひねっているところでした。
ただでさえハードな内容なのに今回は2回分を1回でこなさなければいけないことと、先生の講義を受けられなかったことで状況や内容を理解するのに相当時間を要し、少し残念な立ち上がりとなりました。
バリューシナリオの設定
前回作成したペルソナシートを元に起こりうる状況を想定して、ペルソナの行動特性をもとにした、より具体的な状況(シーン)を3〜4つ設定します。
このあたりの設定は、まずビジネスニーズ有りきだろうと思いました。ペルソナを作っている時も感じましたが、結局ビジネスニーズがないと僕らの判断や想像で済ませてしまうことが多くなってしまいます。課題となるサイトを設定した時点で、事務局側でビジネスニーズも設定してもらったほうが色々スムーズに行くだろうと思いました。
アクティビティシナリオ作成
アクティビティシナリオは、バリューシナリオ設定で作ったシーンを掘り下げたもので、シーン→アクティビティシナリオ→タスクの設定という流れで進みます。ここまで来ると第3回の内容とつながってくる感じがわかりました。
また、タスク設定にインターフェイス用語を使ってはいけないというのが面白くもあり、納得できるものでした。WEBを使ってきた人はそれを中心に考えがちでそれが問題になるとのこと。またアクティビティシナリオは時代を超えて不変のもので、メディアや媒体を置き換えても成立しなければならない。この二点は非常に勉強になりました。
インタラクションシナリオの設定
アクティビティシナリオとタスクの設定が終わると、本来ならインタラクションシナリオの設定に入ります。しかしWEBの場合は必要ないとのことで割愛。プロダクトの場合はここもしっかりやるようです。
ストーリーボードの作成
タスクをもとにUIをワイヤーフレームで制作し、使用感や問題点などをチェックしていきます。IDEO社ではできるだけラフに作ったほうがデザインの本質が分かりやすいと言っているというお話がありましたが、先生がラフと雑は違うぞーと仰っておられました。ラフと雑は言葉にすると違いがわかるのですが、実際は意識できてなかったのでこれも勉強になりました。
また本来はタスクの数だけ作るとのことですが、時間もないので1つだけ選定してストーリーボードに落としこんで行きました。その後ウォークスルーもするとのことでしたが、先生が徐に近づいてきて前触れ無く講評を開始し、全チーム終わったところでWSも終了となりました。
まとめ
とにかくこのセミナー・WSは時間が足りませんでした。先生にわざわざ足を運んでもらわなければいけない点や、参加者数の問題等もあるので仕方のないことですが…。
しかし時間をかけたからと言って一度の受講で理解できるようなものではなく、実務に落としこんでいくうちに徐々に身につくのだろうと思いました。とにかく「一回やっとく」ことが重要で、学ばなければいけないことがわかった、ということが最大の収穫だったと言えるかも知れません。それにカードソートを繰り返し行なったことで、カードソートの重要性について実際に理解できたことも大きかったです。
HCDはWEBに限定されるような知識ではなくて、とにかく使う人の事を中心に考えるというもの。学生時代プロダクトデザインを学んでいた頃にはバリアフリーからユニバーサルデザインに、と言っていた頃だったので当時はまだこの考え方は広まっていなかったのでしょうが、時間に余裕のある学生のうちに何周かやっておくと非常に勉強になると感じました。
もし今年まとめのセミナーが開催されるのであれば、ぜひ参加したいと思っています。
2011年7月20日水曜日
HCDの理解2011[初級編VOL.4] ペルソナ・シナリオ法
HCDの理解2011[初級編VOL.4] ペルソナ・シナリオ法 に参加してきました。
毎回思うのですが、このWSはとてもハード。初めての僕らにはとにかくわからない事だらけ。どうしても上手くやろうとして、時間をかけすぎてしまったり、浅野先生に注意されたり。しかし回を追うごとにやり方というかペースには慣れてきてる気がします。
まずは座学からです。こちらもスピード感満点。あとで復習することが大前提になります。今回は割と早く振り返ることが出来ました。
ペルソナ/シナリオ法はHCDプロセスのひとつ
ユーザーは誰か
曖昧な特定では対象ユーザーの共通認識が出来ない。そんなユーザー像のことを「ゴム製ユーザー」と呼ぶ。
たったひとりの為にデザイン
最大の人間に対応すると、機能が多くなりそれが障害となる。100%の人より10%の人を100%満足させる。結果、それが大勢の人を満足させることにつながる。
ユーザーは誰
狙いのユーザー像を明確にする
商品評価を行うのは人。売れる商品を作るためには、その人を知り、開発者間で共有する必要がある。
ペルソナが目指すゴールを決め、そこまでのシナリオを考える
Goal-Directed Design/目標主導型設計
ペルソナ手法の背景
ペルソナ手法の利点
ユーザー情報の理解
異分野間でも共通認識を持つことができる
声の大きい人ではなくペルソナを基にユーザー評価ができる
ペルソナの作り方(以下は座学の内容にWSの感想も交えていきます。)
1)6〜7名のユーザーを抽出し、約2時間程度の観察・インタビューを行う
※インタビューは「なぜ?」を5回聞く!理由までしっかり聞かないとラダーアップを始めたときに在り来りな結論に達する。
2)集めたデータから重要な内容をポスト・イットに書き起こす
最初のうちはついつい事象だけを書いてしまいますが、他チームに対する先生の注意の声で自分たちの書いている内容を見なおして、これじゃマズイという感じに修正していきました。
3)データをグルーピングし、ユーザーのタイプに分ける。各人物像の骨格をまとめる。
カードソートの1種と考えていいのでしょうか。しっかり事象を見つめることで、本当に本質的要求が見えてきました。僕らの導き出した本質的要求は「子供と一緒に趣味を楽しみたい」「手間をかけずに効率的に子育てをしたい」「子供にとって良い親でありたい」の3つ。僕も気づかなかった親の気持ちに迫っているのではないでしょうか。
4)表現を肉付けし、一貫性のある人物像としてペルソナを完成させる。
ペルソナシートを作ります。しかし今回はビジネスニーズについて触れる機会がなく、僕達の判断でペルソナを作りました。
ここで感じたことは、ペルソナは上記のプロセスを踏むと勝手に出来上がるものでは無いのだろうということ。
ビジネスニーズに沿ったペルソナを能動的に作る過程で、開発者の価値観のみが反映されたものにしないようにするために、様々なプロセスを通過する必要があるのかなということです。
後日ツイッター上で浅野先生がおっしゃっていましたが、人間は1回では18%しか理解出来ないそうです。このWSを1周だけやって業務に生かせるかというと微妙ですが、参加するのとしないのでは、ものの考え方に大きな差が出るだろうと思います。本当なら来年も1周受けてさらに成熟させたいところですが、開催が危ぶまれています。もし開催されないなら残念。
その他メモ
毎回思うのですが、このWSはとてもハード。初めての僕らにはとにかくわからない事だらけ。どうしても上手くやろうとして、時間をかけすぎてしまったり、浅野先生に注意されたり。しかし回を追うごとにやり方というかペースには慣れてきてる気がします。
まずは座学からです。こちらもスピード感満点。あとで復習することが大前提になります。今回は割と早く振り返ることが出来ました。
ペルソナ/シナリオ法はHCDプロセスのひとつ
ユーザーは誰か
曖昧な特定では対象ユーザーの共通認識が出来ない。そんなユーザー像のことを「ゴム製ユーザー」と呼ぶ。
- ソニーでは「若者向け」のデザインを35〜45歳までの間させない。35歳から45歳の間は自分のことを若者だと思っている可能性が高いが、現実には違うことが多いため。45歳を超えると、自分の子どもが若者になっているので自分と違うことが認識出来る。
たったひとりの為にデザイン
最大の人間に対応すると、機能が多くなりそれが障害となる。100%の人より10%の人を100%満足させる。結果、それが大勢の人を満足させることにつながる。
- CAのキャリーバッグは昔CAのためだけに作られたものだが、今や全世界に広まり便利に利用されている。
- ポスト・イットは聖歌隊員がしおり替わりに使い始めたものが広まった物。
- ウォークマンはソニーの社長のために作られた物。
ユーザーは誰
狙いのユーザー像を明確にする
商品評価を行うのは人。売れる商品を作るためには、その人を知り、開発者間で共有する必要がある。
- 不明瞭なユーザー:開発者(自分)がユーザー
- 厳密なユーザー:ペルソナがユーザー
ペルソナが目指すゴールを決め、そこまでのシナリオを考える
Goal-Directed Design/目標主導型設計
ペルソナ手法の背景
- 暗黙の了解をなくす
- 外化することによって共通認識とし、ぶれないユーザー像とゴールへの道筋を作ることが必要
ペルソナ手法の利点
ユーザー情報の理解
異分野間でも共通認識を持つことができる
声の大きい人ではなくペルソナを基にユーザー評価ができる
- ペルソナは打ち合わせに持っていく
- 人形を使うのも良い
- 日本人はペルソナを使うのが下手→ペルソナ/シナリオ法がダメという結論に行きやすい
ペルソナの作り方(以下は座学の内容にWSの感想も交えていきます。)
- ビジネスニーズに沿ったターゲット層の情報が必要
- 今まで蓄積したマーケティングデータからインタビュー対象を選定。しかし制作会社にはそのデータは回って来づらい。
- ユーザーは自分自身の潜在ニーズを説明できない
- 慣れのないうちは大きな視点で見るが、慣れてくると細部を見るようになり構造的な問題を発見出来ない
僕は今回の課題サイト「名古屋市科学館」のビジネスニーズにマッチするセグメントなのでしょう。インタビューを自チームと他チームの2回受けました。なので、インタビューする機会はありませんでしたが、インタビュアーの方の違いを感じられて、それはそれで面白かったです。あとから考えるともう少しこういう展開で聞いたらいいのではないか、といった感想も持ちました。
※インタビューは「なぜ?」を5回聞く!理由までしっかり聞かないとラダーアップを始めたときに在り来りな結論に達する。
2)集めたデータから重要な内容をポスト・イットに書き起こす
- 事象をポスト・イットに書く際には単語で書かず、情景が浮かぶように理由等も含めて文章化する。
最初のうちはついつい事象だけを書いてしまいますが、他チームに対する先生の注意の声で自分たちの書いている内容を見なおして、これじゃマズイという感じに修正していきました。
3)データをグルーピングし、ユーザーのタイプに分ける。各人物像の骨格をまとめる。
- ラダーリングをする
- 今回はラダーアップを実行
- ビジネスニーズがあれば、そこから落としこむラダーダウンも併用する。
- 階層を「ユーザーの事象」「ユーザーの行為目的」「ユーザーの本質的要求価値」の3つに分ける。
- ユーザーの本質的要求はそのままアクティビティタスクになり得る。
- 上手くラダーアップできない場合は事象が曖昧。インタビューが聞き足りない。
カードソートの1種と考えていいのでしょうか。しっかり事象を見つめることで、本当に本質的要求が見えてきました。僕らの導き出した本質的要求は「子供と一緒に趣味を楽しみたい」「手間をかけずに効率的に子育てをしたい」「子供にとって良い親でありたい」の3つ。僕も気づかなかった親の気持ちに迫っているのではないでしょうか。
4)表現を肉付けし、一貫性のある人物像としてペルソナを完成させる。
- ユーザーの基本情報と本質的要求がわかる。
- ビジネスニーズがないと作れない?
- ビジネスニーズに照らして調整。属性の近いユーザーを統合する。
ペルソナシートを作ります。しかし今回はビジネスニーズについて触れる機会がなく、僕達の判断でペルソナを作りました。
ここで感じたことは、ペルソナは上記のプロセスを踏むと勝手に出来上がるものでは無いのだろうということ。
ビジネスニーズに沿ったペルソナを能動的に作る過程で、開発者の価値観のみが反映されたものにしないようにするために、様々なプロセスを通過する必要があるのかなということです。
後日ツイッター上で浅野先生がおっしゃっていましたが、人間は1回では18%しか理解出来ないそうです。このWSを1周だけやって業務に生かせるかというと微妙ですが、参加するのとしないのでは、ものの考え方に大きな差が出るだろうと思います。本当なら来年も1周受けてさらに成熟させたいところですが、開催が危ぶまれています。もし開催されないなら残念。
その他メモ
- ペルソナを幸せにする=コンセプト
- 非構造化インタビュー
「最近どう?」のような質問からラポールを形成し、有用な情報を得る手法。時間がかかる。 - 半構造化インタビュー
最初の質問を間違えるとすべてがだめになる - ユーザーを調べればOKという訳ではなく、ビジネスニーズがわからないといけない
- 技術的シーズ=「うちにはこんな技術があるからこんな事をしたい」
2011年7月7日木曜日
考具 ―考えるための道具、持っていますか?
だいぶ前になりますが「アイデアのつくり方」に続いて読みました。
以前アップした「アイデアのつくり方」でざっくり理解して、こちらで具体的な方法を、という順番で読めたので、すっと入っていく感じでした。
「天才」と呼ばれる一握りの人をのぞいて、人間はあまりに自由すぎるとかえって自由な発想をしにくいと思います。制限があったほうが焦点がぶれなくてまとまることが多いように感じますが、この本はそういった「少しだけ制限を与えてくれるもの」を多く紹介してくれています。
もちろん業務で既に使っているようなものもありましたが、方法や狙いなどを再確認する意味でも、読んでよかったです。実際に早速実務に役立てることができました。紹介されているものを全部使うのではなく、まずは自分に合うと思えるものから試していくといいかも知れません。
アイデアマンになれるかどうかは後天的
置かれた環境よりも自分の意識のほうが大事
アイデアが出るか出ないかの違いは、意識しているかどうかの一点のみ
1章 アイデアが企画になる、アイデアが企画としてまとめられる
以前アップした「アイデアのつくり方」でざっくり理解して、こちらで具体的な方法を、という順番で読めたので、すっと入っていく感じでした。
「天才」と呼ばれる一握りの人をのぞいて、人間はあまりに自由すぎるとかえって自由な発想をしにくいと思います。制限があったほうが焦点がぶれなくてまとまることが多いように感じますが、この本はそういった「少しだけ制限を与えてくれるもの」を多く紹介してくれています。
もちろん業務で既に使っているようなものもありましたが、方法や狙いなどを再確認する意味でも、読んでよかったです。実際に早速実務に役立てることができました。紹介されているものを全部使うのではなく、まずは自分に合うと思えるものから試していくといいかも知れません。
アイデアマンになれるかどうかは後天的
置かれた環境よりも自分の意識のほうが大事
アイデアが出るか出ないかの違いは、意識しているかどうかの一点のみ
1章 アイデアが企画になる、アイデアが企画としてまとめられる
アイデアと企画は「What」と「How」で成り立っている「何を」「どうする」をセットで考える習慣を持つ
アイデアをフィージビリティスタディしたものこそ「企画」
企画とは予算と準備と時間さえあれば実現できる目処が立つ計画
「企画書」に新しいアイデアが含まれていないと「新しくない」
ひとつの企画が新しいアイデアばかりで構成されている必要はない
情報が入る→アイデアを拡げる→企画にまとめる
アイデアが企画につながる頭の使い方は「拡げて絞って、また拡げて絞る」
2章 どうしたら「必要な情報」が入ってくるのか
まず、今集めたい情報は何か、何を解決しなければいけないのか、をメモする
考具1 カラーバス
考具2 聞き耳をたてる
考具3 ちょいメモ
考具4 七色いんこ(誰かになりきること)
考具5 フォトリーディング
考具6 臨時新聞記者(現場・取材 中学生に説明できるまで理解する)
3章 展開・展開・展開 アイデアが広がる考具
※特に1と3が大切
考具7 アイデアスケッチ(手書き)
考具8 ポストイット
考具9 マンダラート
考具10 マインドマップ
考具11 アイデアスケッチ(PC)
考具12 連想ゲーム
考具13 オズボーンのチェックリスト
アイデアのヒント・要素は創りだすのではなく、探す・見つけるということ。「オズボーンのチェックリスト」はアイデアを生み出すために必要な「要素の組み合わせ方」の基本パターンが網羅されている
アイデアのつくり方は至ってシンプルで、今と昔で違うのは方程式に入れるデータ。データを変えるだけなのでアイデアが尽きることはない。
考具14 ブレーンストーミング グループで使う考具
【4つのルール】
4章 企画 アイデアを企画に収束させる
アイデアなくして企画なしだが、実務においてはアイデアは企画になっていないと使えない
考具15 5W1Hフォーマット
考具16 タイトル
考具17 ビジュアライズ
考具18 マンダラート
考具19 企画書
5章 行き詰まったとき
なにより大切なのはアウトプットし続けること
考具20 アイデアマラソン
考具21 問いかけの展開
6章 自分なりの考具
インプット系考具
「既存の要素」をどれだけ発見できるか、インプットできるか
アウトプット系考具
アイデアを展開し、企画へ収束させるためのツール
終章 頭の動き方のシステム化こそ「考具」
「私は◯◯◯◯◯な人」の◯◯◯◯◯を埋める=自分のゴールを明確にすること
ゴールイメージを決める=行き先がわかれば何が必要かもわかる
成功するためのノウハウは明らかなのに、実際に行動にうつす人は1%しかいない。だから成功するのは簡単。
- アイデア・企画を考える順番を知っておく
- デザインは「わがまま」→「思いやり」
- 最初から相手に合わせてしまうとアイデアがショボくなる
- アイデアとは自由奔放な発想
- アイデアとは既存の要素の組み合わせ以外の何ものでもない
- 少しだけ新しくても「新しい」
- アイデアは企画の「素」であり、アイデア=企画ではない
- 量が質を生む
- アイデアは1行でいい
- くだらないことも全て紙に書いてみる
アイデアをフィージビリティスタディしたものこそ「企画」
企画とは予算と準備と時間さえあれば実現できる目処が立つ計画
「企画書」に新しいアイデアが含まれていないと「新しくない」
ひとつの企画が新しいアイデアばかりで構成されている必要はない
情報が入る→アイデアを拡げる→企画にまとめる
アイデアが企画につながる頭の使い方は「拡げて絞って、また拡げて絞る」
2章 どうしたら「必要な情報」が入ってくるのか
まず、今集めたい情報は何か、何を解決しなければいけないのか、をメモする
考具1 カラーバス
- 「今日の色」を決め、その色のものが何かを見る
- 「見る」以外のことをする必要はなく、一度しっかり意識したという事実でOK
- カラーバスは注目する視点をいつもと違うジャンルで絞ると発見の幅が広がることを教えてくれる
- 色だけでは飽きるので、「形」「位置」「音」等何でもOK
- アイデア・企画を考えることにおいては「すり替え」「言い訳」「ほんの少しの強制力」がとても力になる
考具2 聞き耳をたてる
- 人の話を聞くことのもうひとつの効能は、他の誰かの生活をほんのヒトコマだけ共有できること
- ちょっとだけ目を向ける、耳を立てる
考具3 ちょいメモ
- なんとなく気になったものだけをちょこっとメモる
- メモする効能は頭の中にあるものを外に出すことにある
考具4 七色いんこ(誰かになりきること)
- 「考える」という概念の中に「実際に体を動かしてみる」を含める
- 自分と違う立場・ポジションを出来る限りなりきって疑似体験する
考具5 フォトリーディング
- 読書の定義を変えること
- 自分にとって大事と思える情報を探す
- 何度も目を通しておくことは大切
考具6 臨時新聞記者(現場・取材 中学生に説明できるまで理解する)
- 課題解決のヒントを求めて現場に行く
- 自分の実感としての知識・記憶があるかどうかはアイデアの爆発に決定的な差を生み出す
- 分かりづらい話は自分自身にとってわかりやすい方法、エピソードで理解する
- 分解してしまう 「分解」のあとに「選択」と「集中」
- 現場を知っていると企画に説得力が出る、プレゼンの迫力が違ってくる
3章 展開・展開・展開 アイデアが広がる考具
- 普段からアイデアのネタ元を色々貯めこんでおく
- 目の前の課題についての特殊知識や必要な情報をさらに頭に入れる
- 貯め込んだ中から使えそうなネタ元や情報を引っ張り出す
- 引っ張り出したネタ元、情報を組み合わせてアイデアを生む
※特に1と3が大切
考具7 アイデアスケッチ(手書き)
- 「こうなったらいいな」の形状やシーンを思い浮かべる
- 自分が想像できないものを実態として存在させることは困難
- タイトル1行、イラストと少しの説明を2、3行
- 最初から珠玉のアイデアは出てこない
- 1枚1案、30案は出す
- 展開するときは「拡げる」ことが大事
考具8 ポストイット
- 1枚1ネタ
- 思い浮かんだものをそのまま書く
- 書いたポストイットは机や壁に貼る 張り方は事由
- 「アイデアのネタ」と「アイデア」は別物
- アイデアを考えることに「正しい順番」はない
- アイデアを思いついたらすぐアイデア書きに入る
- 行きつ戻りつの試行錯誤がない企画はパワーが無い
考具9 マンダラート
- すこしばかりの強制力が働くと、頭が必死に回転を始める
- 普段の生活で積み重なった記憶を引っ張り出し、組み合わせるだけで新しいアイデアが生まれる
- アイデアに遠慮は厳禁、少し違和感があっても書いておく
- アイデアが押し寄せてきそうならそのままもう一段階マンダラを開く。手順にこだわっている暇はない
- アイデアを出すことと、選ぶ、判断することは別物
- すでに頭の中にあるアイデアを引き出すことができれば新しいアイデアを生み出すことは簡単になる
- アイデアが面白いかどうかは、組み合わせの方法より組み合わせる要素をどれだけ多彩に引き出せるかが重要
考具10 マインドマップ
- 自分で紙に落としていく過程を通じて本当に理解できるようになる
考具11 アイデアスケッチ(PC)
- タイトル+3行アイデア
- 複製した画面を上から書きなおしていくこと
- アイデアを考えるときは「芋づる式」や一見関係の無いことがミックスされたりぶつかり合うことがゼッタイに必要
- 拡げて、まとめる
考具12 連想ゲーム
- 連想ゲームの目的は頭の中にしまい込まれた言葉を引き出すこと
- まずは自分好みのアイデアでOK
考具13 オズボーンのチェックリスト
アイデアのヒント・要素は創りだすのではなく、探す・見つけるということ。「オズボーンのチェックリスト」はアイデアを生み出すために必要な「要素の組み合わせ方」の基本パターンが網羅されている
- 転用したら?
現在のままでの新しい使い方は? - 応用したら?
似たものはないか、真似できないか - 変更したら?
意味、色、動き、匂い、形を変えたらどうなる? - 拡大したら?
大きくする、長くする、頻度を増やす、時間を延ばすと? - 縮小したら?
小さくする、短くする、軽くする、圧縮する、短時間にすると? - 代用したら?
代わりになる人や物は?材料、場所などを変える? - 置き換えしたら?
入れ替えたら、順番を変えたらどうなる? - 逆転したら?
逆さまにしたら、上下左右、役割を反対にしたら? - 結合したら?
合体、混ぜる、合わせたらどうなる?
アイデアのつくり方は至ってシンプルで、今と昔で違うのは方程式に入れるデータ。データを変えるだけなのでアイデアが尽きることはない。
考具14 ブレーンストーミング グループで使う考具
【4つのルール】
- 批判しない
- 自由奔放な発言を歓迎する
- 質より量を求める
- 他人のアイデアに便乗する
- ブレストはまったく別の視点を盗むチャンス
- ブレストは数の勝負。競争感覚を忘れない
4章 企画 アイデアを企画に収束させる
アイデアなくして企画なしだが、実務においてはアイデアは企画になっていないと使えない
考具15 5W1Hフォーマット
- まずアイデア有りき「わがまま→思いやり」
- 新しい企画は予定調和の中からは生まれない
考具16 タイトル
- 企画にタイトルを付ける
考具17 ビジュアライズ
- 「絵にならないもの」は企画として成立しない
- できるだけ細かく丁寧に想像してみる
- やりたいことをどれだけ明確にできるかが成功するかどうかの判断基準になる。
考具18 マンダラート
- マンダラートを主体的行動軸と取り巻く環境の軸に分けて使う
考具19 企画書
- 企画書で肝心なのは「原稿」→「原稿」の構成に80%の時間をかける
- 企画書屋にはならない
- タイトル、5W1H、読んだ人がビジュアライズできるか
- 相手の頭の中で企画をビジュアライズさせたい
- 中心ツールは「言葉」→「言葉の力」を磨くこと
5章 行き詰まったとき
なにより大切なのはアウトプットし続けること
考具20 アイデアマラソン
- 自分が産み出したアイデアをノートに書いておく
- 通し番号を振り、スタートしてからの日数とのギャップを計算
- 思いついたアイデアは誰かに話す
考具21 問いかけの展開
- 与えられた課題を変えてみる、ズラしてみる
- アイデアに詰まったら質問、問いかけを拡げる
6章 自分なりの考具
インプット系考具
「既存の要素」をどれだけ発見できるか、インプットできるか
アウトプット系考具
アイデアを展開し、企画へ収束させるためのツール
- 手書きがアイデアの基本
- アイデアのヒントは至る所にある。発見できるかどうか、探しているか、見つけようとして問いかけているか、がポイント。
終章 頭の動き方のシステム化こそ「考具」
「私は◯◯◯◯◯な人」の◯◯◯◯◯を埋める=自分のゴールを明確にすること
ゴールイメージを決める=行き先がわかれば何が必要かもわかる
成功するためのノウハウは明らかなのに、実際に行動にうつす人は1%しかいない。だから成功するのは簡単。
2011年6月28日火曜日
WCAN2011 Summer
WCAN2011 Summerに参加しました。
少し遅くなりましたがまとめを記しておきます。まだまだ消化できてない感じですが、現段階で一度アウトプットしておくことのほうが大事かと思います。先日見たスタンフォード白熱教室でも早い段階で失敗を重ねろって言ってましたし…。鈴木曜さんの仮説と検証のサイクルと同じで、スピード感を大事にしたいですね。
全体的な感想
まずはライトニングトークを含めてどれも興味深かったが、一番と言われれば林千晶さんのセッションだったと思う。これは参加者の大部分に同意してもらえるのではないのだろうか。
第一に話がとても上手だったということ。堂々と、はっきりゆっくりとお話されていて、全体にとても説得力があった。まずプレゼンの技術というところでとても勉強になった。そしてセッションの内容も、所謂技術論は展開せず考え方の紹介とその事例を林さんのフィルターを通して伝えてくれた。詳しくは後で纏めるが、とにかく前向きになれる内容だった。今まで積んできた経験がバックボーンとなって、ああいう形でアウトプットできるのだろう。
MITの事例を紹介してくださったが、初めて参加した今回のWCANも、あの場に居るということを経験できたことが一番大きかったように思う。
【セッション1】 矢野りんさん
Web or App? モバイル対応を視野に入れたデザイン入門
モバイル用のデザインを視野に入れたTipsなどを紹介してくださった。
話の中盤では、やはり今勉強しているHCDにつながっていった。コミュニケーションデザインのワークショップから引き続き、ユーザー目線に立つ、ということの重要性を再認識させられた。
カッコいいデザインとは
ターゲットによって違うので、ターゲットの設定が不可欠。
どこで何を等を想定する。 5W1H等。 WHYが一番大切。
スマートフォンとPCでは用途が違う
PCは情報収集に利用し、スマートフォンはリアルタイムコミュニケーションに利用。
スマートフォンで情報の収集はしない。
デザインとは解決策
それぞれの場面にあわせた解決策を用意すること
事例紹介
一般的なPCサイトの要件を満たすとユーザー中心設計になりにくい
クライアントの要件をすべて満たそうとすると、「伝えたい事」が優先される。
しかしスマートフォンサイトの場合は処理能力や画面の大きさの違いですべての要件を満たすことは難しい。必然的にユーザーが知りたい情報を掲載することや、サイト内で迷わないような設計にしなければならない。
これらのことからスモールスクリーンではユーザー中心以外の都合は入りにくい。
デザイナーがユーザーの利便性を考慮することができたら
Web design skill = App design skillになる
スモールスクリーンでは「戻る」機能を重視して設計すると良い
ハブ&スポークの考え方
スモールスクリーンレイアウトの考え方
スモールスクリーンのUIカラーの基本
ユーザーは画面遷移の「流れ」で情報を把握している
多彩な色使いは嗜好を中断させる原因になる
彩度を抑えた色、明度を上げた色など、中間色をうまく使ってトーンの差によって自然な立体感を出すように心がける。まとまり重視の色使い。
UIは多数決
独創的なものより基本に沿ったものを優先する
ユーザーの学習経験を利用する
セッション2 林千晶さん
プロジェクトデザイニング
プロジェクトマネジメントからプロジェクトデザイニングへ
林さんはプロジェクトマネジメントの「管理する」という間隔に違和感を持ち、プロジェクトデザイニングを提唱。ここも共感できるところだった。
デザインといっても結局は管理することなのだが、管理につきまとう「強制や抑圧」といったイメージより、「メンバーの強みを引き出す」という考え方の方がより共感を得やすいと思うし、他の書籍などでも「強み」に焦点をあてることの重要さは頻繁に出てくる。
そういった意味でも、捉え方次第でプロジェクトに対するアプローチの仕方が変わってくると思う。
失敗したプロジェクトをどう捉えるか。
仕方ない、運が悪かった
ではなく
動やったら防げたかと考える
プロジェクトマネジメントの知識体系「PMBOK Project Management Body of Knowledge」
世界中の「どうやったら防げたか」の集大成
今後WEB制作でもプロジェクトマネジメントの手法は必須になってくる。
何の為のプロジェクトマネジメントか
ほとんどの計画は計画通りに進まない
計画通りに進むことが成功でもない
アジャイルソフトウェア宣言では計画よりも現実への迅速な適応を重視する
左記の事柄に価値を認めながら右記の事柄により価値を置く
PMBOKのフレームワーク+アジャイル型幸運の引き寄せ方=プロジェクトデザイニング
プロジェクトデザイニングとは
1:プロジェクトを俯瞰する
2:目標を腹に落とす
3:コミュニケーションを楽しむ
ブレストは楽しんでやる 美味しい物を食べながら等
IDEO社 ブレスト7つの秘訣
対立を解消するためには「対峙」する。
なぜ対立が起こったのか、きちんと向き合うことがwin-winにつながる。
4:WBS(Work Breakdown Structure)
5:わくわくする未来をつくる
Serendipity:セレンディピティ
偶然をきっかけにひらめきを得て幸運を掴みとること
出来る限りオープンでいれば、情報や人が集まってくる。
少し遅くなりましたがまとめを記しておきます。まだまだ消化できてない感じですが、現段階で一度アウトプットしておくことのほうが大事かと思います。先日見たスタンフォード白熱教室でも早い段階で失敗を重ねろって言ってましたし…。鈴木曜さんの仮説と検証のサイクルと同じで、スピード感を大事にしたいですね。
全体的な感想
まずはライトニングトークを含めてどれも興味深かったが、一番と言われれば林千晶さんのセッションだったと思う。これは参加者の大部分に同意してもらえるのではないのだろうか。
第一に話がとても上手だったということ。堂々と、はっきりゆっくりとお話されていて、全体にとても説得力があった。まずプレゼンの技術というところでとても勉強になった。そしてセッションの内容も、所謂技術論は展開せず考え方の紹介とその事例を林さんのフィルターを通して伝えてくれた。詳しくは後で纏めるが、とにかく前向きになれる内容だった。今まで積んできた経験がバックボーンとなって、ああいう形でアウトプットできるのだろう。
MITの事例を紹介してくださったが、初めて参加した今回のWCANも、あの場に居るということを経験できたことが一番大きかったように思う。
【セッション1】 矢野りんさん
Web or App? モバイル対応を視野に入れたデザイン入門
モバイル用のデザインを視野に入れたTipsなどを紹介してくださった。
話の中盤では、やはり今勉強しているHCDにつながっていった。コミュニケーションデザインのワークショップから引き続き、ユーザー目線に立つ、ということの重要性を再認識させられた。
カッコいいデザインとは
ターゲットによって違うので、ターゲットの設定が不可欠。
どこで何を等を想定する。 5W1H等。 WHYが一番大切。
スマートフォンとPCでは用途が違う
PCは情報収集に利用し、スマートフォンはリアルタイムコミュニケーションに利用。
スマートフォンで情報の収集はしない。
デザインとは解決策
それぞれの場面にあわせた解決策を用意すること
事例紹介
- Flickrの事例
- Amazonの事例
- Appleの事例
- TorontoStandardの事例
一般的なPCサイトの要件を満たすとユーザー中心設計になりにくい
クライアントの要件をすべて満たそうとすると、「伝えたい事」が優先される。
しかしスマートフォンサイトの場合は処理能力や画面の大きさの違いですべての要件を満たすことは難しい。必然的にユーザーが知りたい情報を掲載することや、サイト内で迷わないような設計にしなければならない。
これらのことからスモールスクリーンではユーザー中心以外の都合は入りにくい。
デザイナーがユーザーの利便性を考慮することができたら
Web design skill = App design skillになる
スモールスクリーンでは「戻る」機能を重視して設計すると良い
ハブ&スポークの考え方
スモールスクリーンレイアウトの考え方
- スモールスクリーン化した状態を想定しながら作る
- 相対的なレイアウトを考慮する
- 必要があれば情報量を調整する
スモールスクリーンのUIカラーの基本
- 明度の差でバリエーションを作ってスタイリングする
- タップ出来る部分、重要度の違いなどを部品に立体感を持たせることで意味付けする
ユーザーは画面遷移の「流れ」で情報を把握している
多彩な色使いは嗜好を中断させる原因になる
彩度を抑えた色、明度を上げた色など、中間色をうまく使ってトーンの差によって自然な立体感を出すように心がける。まとまり重視の色使い。
UIは多数決
独創的なものより基本に沿ったものを優先する
ユーザーの学習経験を利用する
セッション2 林千晶さん
プロジェクトデザイニング
プロジェクトマネジメントからプロジェクトデザイニングへ
林さんはプロジェクトマネジメントの「管理する」という間隔に違和感を持ち、プロジェクトデザイニングを提唱。ここも共感できるところだった。
デザインといっても結局は管理することなのだが、管理につきまとう「強制や抑圧」といったイメージより、「メンバーの強みを引き出す」という考え方の方がより共感を得やすいと思うし、他の書籍などでも「強み」に焦点をあてることの重要さは頻繁に出てくる。
そういった意味でも、捉え方次第でプロジェクトに対するアプローチの仕方が変わってくると思う。
失敗したプロジェクトをどう捉えるか。
仕方ない、運が悪かった
ではなく
動やったら防げたかと考える
プロジェクトマネジメントの知識体系「PMBOK Project Management Body of Knowledge」
世界中の「どうやったら防げたか」の集大成
今後WEB制作でもプロジェクトマネジメントの手法は必須になってくる。
何の為のプロジェクトマネジメントか
ほとんどの計画は計画通りに進まない
計画通りに進むことが成功でもない
アジャイルソフトウェア宣言では計画よりも現実への迅速な適応を重視する
- プロセスやツール < 個人との対話
- 包括的なドキュメント < 動くソフトウェアを
- 契約交渉 < 顧客との協調
- 計画に従うこと < 変化への対応
左記の事柄に価値を認めながら右記の事柄により価値を置く
PMBOKのフレームワーク+アジャイル型幸運の引き寄せ方=プロジェクトデザイニング
プロジェクトデザイニングとは
- プロジェクトを俯瞰する
- 目標を腹に落とす
- コミュニケーションを楽しむ
- WBS(Work Breakdown Structure)で見通しを良くする
- わくわくする未来を作る
1:プロジェクトを俯瞰する
- 顧客からの要求は一部であり、その問題を解決するだけではいけない
- 9つの知識エリア、42のプロセス
- トラブルが起こるのはたいてい自分の弱いところ。苦手なのものは仲間に任せる。
2:目標を腹に落とす
- 知らない→頭で理解する→気持ちがわかる
- ストーリーを知るということ、背景を知らなければいけない
- ゴールを明確化するとプロセスが見える。
- ビジュアライズすること
- As isとTo be:現状を知ることで良いTobeにつながる
- アウトプット:ドキュメントにすることで揺るぎない基盤とする
3:コミュニケーションを楽しむ
- ミーティングは可能な限り楽しく
- 会議室ではないコミュニケーションを
- PMの90%以上がコミュニケーション
- メンバーの性格を知ることがチームビルディング
ブレストは楽しんでやる 美味しい物を食べながら等
IDEO社 ブレスト7つの秘訣
- すぐに判断しない
- 突飛なアイデアを歓迎する
- 人の意見をベースに展開する
- テーマを変えない
- 人が話しているときは聴く
- 視覚化する
- 質より量
対立を解消するためには「対峙」する。
なぜ対立が起こったのか、きちんと向き合うことがwin-winにつながる。
4:WBS(Work Breakdown Structure)
- 難しいことほど細かく分解する
- 求められる品質もWBSを通じて可視化出来る
5:わくわくする未来をつくる
- 満足したい:「幸せになりたい」が根本的欲求
- 眼に見えるものの裏側に真実がある
Serendipity:セレンディピティ
偶然をきっかけにひらめきを得て幸運を掴みとること
出来る限りオープンでいれば、情報や人が集まってくる。
2011年6月21日火曜日
アイデアのつくり方
この本を読んで、わかった気になっていたことが文章化されて目の前に現れて、かなりハラオチしました。昔学校の先生が「遊ばないヤツにいいデザインなんか出来ないぞ」と言われた意味が、やっとしっかり自分なりに理解できました。
アイデアの作成は流れ作業である この技術を習得すること。
どんな技術を習得する場合にも学ぶべきものは
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせである
既存の要素を新しい組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存する
アイデアのつくり方は5つの段階を必ず順番通りに通り抜けなければならない
1 資料を収集する
2 これらの資料を咀嚼する
3 すべてを放棄する
4 アイデアの到来を期待していないとき、突然訪れてくる
5 現実の有用性に合致させるために最終的なアイデアを具体化し展開させる。
アイデアの作成は流れ作業である この技術を習得すること。
どんな技術を習得する場合にも学ぶべきものは
- 原理
- 方法
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせである
既存の要素を新しい組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存する
アイデアのつくり方は5つの段階を必ず順番通りに通り抜けなければならない
1 資料を収集する
- その時々の案件に関する「特殊資料」
- 世の中の種々様々な出来事に着いての一般的知識
- 特殊資料を集めるにはカード索引法が有益
- 一般的資料を集めるのにはスクラップブックやファイルが有益
2 これらの資料を咀嚼する
- 仮の、部分的なアイデアが出てくるので紙に記入する
- 組み合わせるのに疲労しても続ける
- 組み合わせる努力をやり遂げたとき、次の段階に移行する
3 すべてを放棄する
- 音楽など感情を刺激するものに心を移すこと
4 アイデアの到来を期待していないとき、突然訪れてくる
5 現実の有用性に合致させるために最終的なアイデアを具体化し展開させる。
- 信頼できる人の批判に晒す。自分だけで考えない
明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法
少し前になりますが読みました。今回はホントにメモしか残ってなかったです。自分しか分からないかも。
■広告は消費者へのラブレター
以前:ラブレター(広告)が相手の手にわたりやすかった。
他に楽しいことが少なかった。
渡したラブレターを相手がちゃんと読んでくれた。
現在:ラブレターを受け取ってさえくれない
相手の手に届きにくくなった。
他に楽しいことがたくさんあり興味をなくしている。
届いたとしても信じない
内容を友達と検討し、判断を任せたりする
4マスに広告を打ってさえいれば見てくれる時代ではない
■相手の趣味・行動を調べ、よく観察し、相手の身になってみる。その上で相手の行動を先読みし、待ち伏せ、確実に広告を届ける。
コンタクトポイントを見極める。
他の楽しいことに目がいかないように「心を動かす表現」をする。
相手の友達にも気に入られるようにケアする。
ラブレターを渡した後が大切。「買ってくれた人へのもてなしが重要」→エンゲージメント
買ってくれた人は「強力なクチコミ源」
商品開発からコミュニケーションを始める
商品設計にコミュニケーション設計を内包させる。
ネットは商品の真実の姿をさらけ出す。
10年間で世の中の情報量は10倍になった(2004年)
ネットの出現+情報洪水+成熟市場で消費者が根本的に変わった
疑い深い消費者の登場
広告は「偶然出会うから記憶に残る」今まで通りのやり方では偶然出会えない
変化していない消費者もいる「老人」と「子供」
30代前半くらいまでの人にとって信頼できるのは「友達・好きな人(芸能人など)・信頼できる人」
消費者はターゲットからパートナーへ。受け手から送り手へ
■ターゲットの気持ちになる
■生活者のどこで待ち伏せるか
■初動が大切
「伝えたい相手をしっかりと見る」→これが一番大切
消費者本位で考える
伝えたい相手のデータが少ないときは、商品と共に生活してみる
心を動かすには単なるインフォメーションではいけない
同じように最適なコミュニケーションデザインなら、クリエイティブの勝負になる
消費者は頭のスイッチをオフにしているときに、偶然広告に出会う
買ってくれた人をもてなすこと(NIKEの事例)
コミュニケーションデザインは既存のマスメディアをもう一度魅力的にする
ネットは全てのコンタクトポイントを結びつける体液みたいな物
変化した消費者は長めに付き合うことで強力な味方となる
「広告は消費者の為のソリューションでなければならない」
■広告は消費者へのラブレター
以前:ラブレター(広告)が相手の手にわたりやすかった。
他に楽しいことが少なかった。
渡したラブレターを相手がちゃんと読んでくれた。
現在:ラブレターを受け取ってさえくれない
相手の手に届きにくくなった。
他に楽しいことがたくさんあり興味をなくしている。
届いたとしても信じない
内容を友達と検討し、判断を任せたりする
4マスに広告を打ってさえいれば見てくれる時代ではない
■相手の趣味・行動を調べ、よく観察し、相手の身になってみる。その上で相手の行動を先読みし、待ち伏せ、確実に広告を届ける。
コンタクトポイントを見極める。
他の楽しいことに目がいかないように「心を動かす表現」をする。
相手の友達にも気に入られるようにケアする。
ラブレターを渡した後が大切。「買ってくれた人へのもてなしが重要」→エンゲージメント
買ってくれた人は「強力なクチコミ源」
商品開発からコミュニケーションを始める
商品設計にコミュニケーション設計を内包させる。
ネットは商品の真実の姿をさらけ出す。
10年間で世の中の情報量は10倍になった(2004年)
ネットの出現+情報洪水+成熟市場で消費者が根本的に変わった
疑い深い消費者の登場
広告は「偶然出会うから記憶に残る」今まで通りのやり方では偶然出会えない
変化していない消費者もいる「老人」と「子供」
30代前半くらいまでの人にとって信頼できるのは「友達・好きな人(芸能人など)・信頼できる人」
消費者はターゲットからパートナーへ。受け手から送り手へ
■ターゲットの気持ちになる
■生活者のどこで待ち伏せるか
- コンタクトポイントで待ち伏せる
- 新しいメディアを作って待ち伏せる
広告に出会うと思っていなかった場所にメッセージがあると効く
- クチコミを利用して待ち伏せる
BUZZ、WOM(word of mouth)、VIRAL
- CGM(Consumer Generated Media)で待ち伏せる
クチコミが今一番起こっているのはCGM上:マーケティングの場としても重要
- エンターテイメントの中で待ち伏せる→プル型コンテンツ
↓検索結果でも待ち伏せる
- 検索結果で待ち伏せる
SEOは検索結果が上位に来るようにする施策
SEMは検索結果から自社サイトなどへの訪問者を増やす施策
- メディアをニュートラルに考えてクロスに待ち伏せる→ターゲットに伝えるために最適なメディアを中心に据える→メディアミックスとクロスメディアの違いに注意する
■初動が大切
「伝えたい相手をしっかりと見る」→これが一番大切
消費者本位で考える
- 「伝えてもらいたがっている人」をリアルに想像する
「伝えたい人」ではない、それは送り手本位の考え
- 「買いたい人を創りだしてしまう」のもアリ→ピロリ菌の事例等 PRを上手に活用
伝えたい相手のデータが少ないときは、商品と共に生活してみる
心を動かすには単なるインフォメーションではいけない
同じように最適なコミュニケーションデザインなら、クリエイティブの勝負になる
消費者は頭のスイッチをオフにしているときに、偶然広告に出会う
買ってくれた人をもてなすこと(NIKEの事例)
コミュニケーションデザインは既存のマスメディアをもう一度魅力的にする
ネットは全てのコンタクトポイントを結びつける体液みたいな物
変化した消費者は長めに付き合うことで強力な味方となる
「広告は消費者の為のソリューションでなければならない」
2011年6月13日月曜日
HCDの理解2011[初級編Vol.3]
6/11(土)
HCDの理解2011[初級編Vol.3]に行ってきました。
適切なユーザー評価をし、問題となる箇所を洗い出して改善案を考えるというWS。
適切なユーザ評価を通じて問題点が明確化され、より精度の高い改善につながる
今回行ったのは、ユーザビリティテスト(プロコトル法)
・タスク設定がキモ。
・NE比によって導かれた問題のある箇所の発話に注目。
・発話にこそ解決策がある
・タスクの設定はうまく行った
・エキスパートテストやNE比の分析、そこからの問題点の洗い出しでミス
【全体の流れ】
前日:事務局より課題となるWEBサイト通知
↓
座学
↓
ペルソナを作り、そのサイトにあったタスクとインタラクションを設定
↓
エキスパートテスト①(パイロットテスト)
↓
エキスパートテスト②
↓
ノービステスト①
↓
ノービステスト②
↓
書き起こし
↓
NE比分析
↓
発表
【前日:事務局より課題となるWEBサイト通知】
送られてきた課題はチームごとに違い、自分宛に来たメールには
「名古屋市科学館のサイトをなるべく細部まで見ておくように」
※その他DVカメラの持込依頼、PCの持込依頼も。
【座学】講師:浅野先生
とにかくこういったWSでは時間がないので、
後で見直すことを念頭においてメモをとることに専念。
今回はHCDプロセスのユーザ評価を学ぶ
HCDではプロセスのドコから始めても構わないがサイトリニューアルの場合はユーザ評価から
「何を評価するのか」
vol.2:特定ユーザによって特定の利用状況下でユーザ調査
vol.3:指定された目標を達成するために用いられる際の有効さ、効率、ユーザの満足度
↓
ユーザビリティ(使いやすさ)
「評価手順」
①何を評価するのかを明確化
②評価方法の選択
評価の専門家
開発者
ユーザ
③評価と分析
形成的評価なのか総括的評価なのか
形成的評価とは:「どこが分かっていないのか」を調べる
└常に実践することが大事
「評価手法」
様々な評価手法があるが特に覚えてきたいものは下記4つ
・エキスパートレビュー
・認知的ウォークスルー法
・ユーザビリティテスト(プロトコル法)
・長期観察
上から実施が易→難
得られる情報は少→多
実際の調査には様々な手法を組み合わせて行う
「エキスパート評価」
評価者がユーザビリティガイドラインに基づいて行う。
ユーザビリティエンジニアが評価。
・ユーザビリティガイドライン
ヤコブ・ニールセンらが開発
ニールセンの10項目
「認知的ウォークスルー法」
検査者自身がユーザの認知的な行動軌跡を推定して問題点を抽出する方法
段階ごとにブレスト
・各段階を可視性、マッピング、良い概念モデル、フィードバック等の
チェック項目をブレストで評価していく。
【ペルソナを作り、そのサイトにあったタスクとインタラクションを設定】
名古屋市科学館が課題ということで、前回のCDWSに続き自分がペルソナモデルに。
ペルソナ:35才 男性
子どもを連れて名古屋市科学館にプラネタリウムを見に行きたいので情報がほしい
車で行く、子供は3才
タスク設定
・車で行く場合の科学館までの交通アクセスを調べたい なるべく安い駐車場の場所と料金も
・参考にプラネタリウムの、本日の空席情報が知りたい
・竜巻ラボをテレビで知ったので、夏休みの平日における展示時間が知りたい
・プラネタリウムの、夏休み子供向けプログラムが知りたい
インタラクション設定
・交通アクセスに最下部に駐車場の情報と料金が掲載されている
・TOPに大きなボタンが配置されている プラネタリウムのページからも到達可
・大型展示から到達可能なタイムスケジュール閲覧
・プラネタリウムの「プラネテーマ」から到達可
【エキスパートテスト①(パイロットテスト)】
開発者によるパイロットテスト
ここでタスクの調整を行った。
【エキスパートテスト②】
ここで失敗
情報取得の経路が分かってしまうので、
タスク設定にエキスパートテスト担当者が関与してはいけない
あくまでサイトを良く知っているがタスクは知らない人間がすること
※最終的には同じ課題の他チームに協力してもらって実行した(タスクを知らない人間)
次回からはこうした方が良いのでは?事務局に提案。
【ノービステスト①】
【ノービステスト②】
タスク設定がうまく行ったので、得たい情報がスムーズに得られた。
【書き起こし】
ここで失敗
時間がなく、次の段階に移行。
本来ならば発話にこそ改善策が隠れているのだが、
省いたことでエキスパートの立場からの改善策になってしまった。
【NE比分析】
ここで失敗
NE比を確認したものの、グラフ作成に失敗し、
NE比の高い問題となる箇所を絞り込まなかった。
その為、タスク全体に修正をかけようとしてしまい、
結果的に時間が足りなくなった。
しっかり視覚化できていればチームで共有でき、
もっとスムーズに問題点の洗い出しから
改善策の検討まで進めたと思う。
【発表】
最近別のWSで発表を担当したこともあって、遠慮。
これが結果的に発表した人を犠牲者にしてしまった。
パワポでまとめる作業もメンバーにお願いした。
オフィス系ソフトの熟練も必要なことが浮き彫りになった。
【その他メモ・雑記】
・ペルソナは3人設定し、3種類のタスクを実行させるとそのサイトの問題点はかなり明らかになる
・タスクは明確な行動でなければならない(個人の嗜好を存在させてはならない)
・行動データが取れなかったら発話とインタビューで裏付ける
・インタラクションもしっかり設定する
・発話の記述があると発表に説得力が出る
・アクティビティとインタラクション次第
・三角点法 三角形の中心にこそ真実がある
・セマンティックディファレンシャル法(SD法)
・ペルソナ:シナリオ法ができればユーザ評価は成功する
・タスク設定が難しい
・NE比は操作自体に時間がかかるものがあるので、かかった時間ではなくNE比によって判断材料とする
・サイトリニューアルの場合、HCDプロセスのユーザ評価から始めても良い
・デザイナーはユーザのことを考えてデザインしないが、しっかりとした検証と確認・修正が必要。
・年に一度しか行わない行動と、継続的に行う行動、前提とする行動の種類によってもデザインは変わる
・NE比5倍以内=放置 5〜10倍=修正 10倍以上=放置し、リニューアル時に根本的に変更
・従来のウェブサイトの形=ツリー型、最適な形はそんなに簡単ではない
セミラティス型=階層にとらわれず行動を元に設計する
・LATCHを学べていない
HCDの理解2011[初級編Vol.3]に行ってきました。
適切なユーザー評価をし、問題となる箇所を洗い出して改善案を考えるというWS。
適切なユーザ評価を通じて問題点が明確化され、より精度の高い改善につながる
今回行ったのは、ユーザビリティテスト(プロコトル法)
・タスク設定がキモ。
・NE比によって導かれた問題のある箇所の発話に注目。
・発話にこそ解決策がある
・タスクの設定はうまく行った
・エキスパートテストやNE比の分析、そこからの問題点の洗い出しでミス
【全体の流れ】
前日:事務局より課題となるWEBサイト通知
↓
座学
↓
ペルソナを作り、そのサイトにあったタスクとインタラクションを設定
↓
エキスパートテスト①(パイロットテスト)
↓
エキスパートテスト②
↓
ノービステスト①
↓
ノービステスト②
↓
書き起こし
↓
NE比分析
↓
発表
【前日:事務局より課題となるWEBサイト通知】
送られてきた課題はチームごとに違い、自分宛に来たメールには
「名古屋市科学館のサイトをなるべく細部まで見ておくように」
※その他DVカメラの持込依頼、PCの持込依頼も。
【座学】講師:浅野先生
とにかくこういったWSでは時間がないので、
後で見直すことを念頭においてメモをとることに専念。
今回はHCDプロセスのユーザ評価を学ぶ
HCDではプロセスのドコから始めても構わないがサイトリニューアルの場合はユーザ評価から
「何を評価するのか」
vol.2:特定ユーザによって特定の利用状況下でユーザ調査
vol.3:指定された目標を達成するために用いられる際の有効さ、効率、ユーザの満足度
↓
ユーザビリティ(使いやすさ)
「評価手順」
①何を評価するのかを明確化
②評価方法の選択
評価の専門家
開発者
ユーザ
③評価と分析
形成的評価なのか総括的評価なのか
形成的評価とは:「どこが分かっていないのか」を調べる
└常に実践することが大事
「評価手法」
様々な評価手法があるが特に覚えてきたいものは下記4つ
・エキスパートレビュー
・認知的ウォークスルー法
・ユーザビリティテスト(プロトコル法)
・長期観察
上から実施が易→難
得られる情報は少→多
実際の調査には様々な手法を組み合わせて行う
「エキスパート評価」
評価者がユーザビリティガイドラインに基づいて行う。
ユーザビリティエンジニアが評価。
・ユーザビリティガイドライン
ヤコブ・ニールセンらが開発
ニールセンの10項目
「認知的ウォークスルー法」
検査者自身がユーザの認知的な行動軌跡を推定して問題点を抽出する方法
段階ごとにブレスト
・各段階を可視性、マッピング、良い概念モデル、フィードバック等の
チェック項目をブレストで評価していく。
【ペルソナを作り、そのサイトにあったタスクとインタラクションを設定】
名古屋市科学館が課題ということで、前回のCDWSに続き自分がペルソナモデルに。
ペルソナ:35才 男性
子どもを連れて名古屋市科学館にプラネタリウムを見に行きたいので情報がほしい
車で行く、子供は3才
タスク設定
・車で行く場合の科学館までの交通アクセスを調べたい なるべく安い駐車場の場所と料金も
・参考にプラネタリウムの、本日の空席情報が知りたい
・竜巻ラボをテレビで知ったので、夏休みの平日における展示時間が知りたい
・プラネタリウムの、夏休み子供向けプログラムが知りたい
インタラクション設定
・交通アクセスに最下部に駐車場の情報と料金が掲載されている
・TOPに大きなボタンが配置されている プラネタリウムのページからも到達可
・大型展示から到達可能なタイムスケジュール閲覧
・プラネタリウムの「プラネテーマ」から到達可
【エキスパートテスト①(パイロットテスト)】
開発者によるパイロットテスト
ここでタスクの調整を行った。
【エキスパートテスト②】
ここで失敗
情報取得の経路が分かってしまうので、
タスク設定にエキスパートテスト担当者が関与してはいけない
あくまでサイトを良く知っているがタスクは知らない人間がすること
※最終的には同じ課題の他チームに協力してもらって実行した(タスクを知らない人間)
次回からはこうした方が良いのでは?事務局に提案。
【ノービステスト①】
【ノービステスト②】
タスク設定がうまく行ったので、得たい情報がスムーズに得られた。
【書き起こし】
ここで失敗
時間がなく、次の段階に移行。
本来ならば発話にこそ改善策が隠れているのだが、
省いたことでエキスパートの立場からの改善策になってしまった。
【NE比分析】
ここで失敗
NE比を確認したものの、グラフ作成に失敗し、
NE比の高い問題となる箇所を絞り込まなかった。
その為、タスク全体に修正をかけようとしてしまい、
結果的に時間が足りなくなった。
しっかり視覚化できていればチームで共有でき、
もっとスムーズに問題点の洗い出しから
改善策の検討まで進めたと思う。
【発表】
最近別のWSで発表を担当したこともあって、遠慮。
これが結果的に発表した人を犠牲者にしてしまった。
パワポでまとめる作業もメンバーにお願いした。
オフィス系ソフトの熟練も必要なことが浮き彫りになった。
【その他メモ・雑記】
・ペルソナは3人設定し、3種類のタスクを実行させるとそのサイトの問題点はかなり明らかになる
・タスクは明確な行動でなければならない(個人の嗜好を存在させてはならない)
・行動データが取れなかったら発話とインタビューで裏付ける
・インタラクションもしっかり設定する
・発話の記述があると発表に説得力が出る
・アクティビティとインタラクション次第
・三角点法 三角形の中心にこそ真実がある
・セマンティックディファレンシャル法(SD法)
・ペルソナ:シナリオ法ができればユーザ評価は成功する
・タスク設定が難しい
・NE比は操作自体に時間がかかるものがあるので、かかった時間ではなくNE比によって判断材料とする
・サイトリニューアルの場合、HCDプロセスのユーザ評価から始めても良い
・デザイナーはユーザのことを考えてデザインしないが、しっかりとした検証と確認・修正が必要。
・年に一度しか行わない行動と、継続的に行う行動、前提とする行動の種類によってもデザインは変わる
・NE比5倍以内=放置 5〜10倍=修正 10倍以上=放置し、リニューアル時に根本的に変更
・従来のウェブサイトの形=ツリー型、最適な形はそんなに簡単ではない
セミラティス型=階層にとらわれず行動を元に設計する
・LATCHを学べていない
2011年5月10日火曜日
登録:
投稿 (Atom)