毎回思うのですが、このWSはとてもハード。初めての僕らにはとにかくわからない事だらけ。どうしても上手くやろうとして、時間をかけすぎてしまったり、浅野先生に注意されたり。しかし回を追うごとにやり方というかペースには慣れてきてる気がします。
まずは座学からです。こちらもスピード感満点。あとで復習することが大前提になります。今回は割と早く振り返ることが出来ました。
ペルソナ/シナリオ法はHCDプロセスのひとつ
ユーザーは誰か
曖昧な特定では対象ユーザーの共通認識が出来ない。そんなユーザー像のことを「ゴム製ユーザー」と呼ぶ。
- ソニーでは「若者向け」のデザインを35〜45歳までの間させない。35歳から45歳の間は自分のことを若者だと思っている可能性が高いが、現実には違うことが多いため。45歳を超えると、自分の子どもが若者になっているので自分と違うことが認識出来る。
たったひとりの為にデザイン
最大の人間に対応すると、機能が多くなりそれが障害となる。100%の人より10%の人を100%満足させる。結果、それが大勢の人を満足させることにつながる。
- CAのキャリーバッグは昔CAのためだけに作られたものだが、今や全世界に広まり便利に利用されている。
- ポスト・イットは聖歌隊員がしおり替わりに使い始めたものが広まった物。
- ウォークマンはソニーの社長のために作られた物。
ユーザーは誰
狙いのユーザー像を明確にする
商品評価を行うのは人。売れる商品を作るためには、その人を知り、開発者間で共有する必要がある。
- 不明瞭なユーザー:開発者(自分)がユーザー
- 厳密なユーザー:ペルソナがユーザー
ペルソナが目指すゴールを決め、そこまでのシナリオを考える
Goal-Directed Design/目標主導型設計
ペルソナ手法の背景
- 暗黙の了解をなくす
- 外化することによって共通認識とし、ぶれないユーザー像とゴールへの道筋を作ることが必要
ペルソナ手法の利点
ユーザー情報の理解
異分野間でも共通認識を持つことができる
声の大きい人ではなくペルソナを基にユーザー評価ができる
- ペルソナは打ち合わせに持っていく
- 人形を使うのも良い
- 日本人はペルソナを使うのが下手→ペルソナ/シナリオ法がダメという結論に行きやすい
ペルソナの作り方(以下は座学の内容にWSの感想も交えていきます。)
- ビジネスニーズに沿ったターゲット層の情報が必要
- 今まで蓄積したマーケティングデータからインタビュー対象を選定。しかし制作会社にはそのデータは回って来づらい。
- ユーザーは自分自身の潜在ニーズを説明できない
- 慣れのないうちは大きな視点で見るが、慣れてくると細部を見るようになり構造的な問題を発見出来ない
僕は今回の課題サイト「名古屋市科学館」のビジネスニーズにマッチするセグメントなのでしょう。インタビューを自チームと他チームの2回受けました。なので、インタビューする機会はありませんでしたが、インタビュアーの方の違いを感じられて、それはそれで面白かったです。あとから考えるともう少しこういう展開で聞いたらいいのではないか、といった感想も持ちました。
※インタビューは「なぜ?」を5回聞く!理由までしっかり聞かないとラダーアップを始めたときに在り来りな結論に達する。
2)集めたデータから重要な内容をポスト・イットに書き起こす
- 事象をポスト・イットに書く際には単語で書かず、情景が浮かぶように理由等も含めて文章化する。
最初のうちはついつい事象だけを書いてしまいますが、他チームに対する先生の注意の声で自分たちの書いている内容を見なおして、これじゃマズイという感じに修正していきました。
3)データをグルーピングし、ユーザーのタイプに分ける。各人物像の骨格をまとめる。
- ラダーリングをする
- 今回はラダーアップを実行
- ビジネスニーズがあれば、そこから落としこむラダーダウンも併用する。
- 階層を「ユーザーの事象」「ユーザーの行為目的」「ユーザーの本質的要求価値」の3つに分ける。
- ユーザーの本質的要求はそのままアクティビティタスクになり得る。
- 上手くラダーアップできない場合は事象が曖昧。インタビューが聞き足りない。
カードソートの1種と考えていいのでしょうか。しっかり事象を見つめることで、本当に本質的要求が見えてきました。僕らの導き出した本質的要求は「子供と一緒に趣味を楽しみたい」「手間をかけずに効率的に子育てをしたい」「子供にとって良い親でありたい」の3つ。僕も気づかなかった親の気持ちに迫っているのではないでしょうか。
4)表現を肉付けし、一貫性のある人物像としてペルソナを完成させる。
- ユーザーの基本情報と本質的要求がわかる。
- ビジネスニーズがないと作れない?
- ビジネスニーズに照らして調整。属性の近いユーザーを統合する。
ペルソナシートを作ります。しかし今回はビジネスニーズについて触れる機会がなく、僕達の判断でペルソナを作りました。
ここで感じたことは、ペルソナは上記のプロセスを踏むと勝手に出来上がるものでは無いのだろうということ。
ビジネスニーズに沿ったペルソナを能動的に作る過程で、開発者の価値観のみが反映されたものにしないようにするために、様々なプロセスを通過する必要があるのかなということです。
後日ツイッター上で浅野先生がおっしゃっていましたが、人間は1回では18%しか理解出来ないそうです。このWSを1周だけやって業務に生かせるかというと微妙ですが、参加するのとしないのでは、ものの考え方に大きな差が出るだろうと思います。本当なら来年も1周受けてさらに成熟させたいところですが、開催が危ぶまれています。もし開催されないなら残念。
その他メモ
- ペルソナを幸せにする=コンセプト
- 非構造化インタビュー
「最近どう?」のような質問からラポールを形成し、有用な情報を得る手法。時間がかかる。 - 半構造化インタビュー
最初の質問を間違えるとすべてがだめになる - ユーザーを調べればOKという訳ではなく、ビジネスニーズがわからないといけない
- 技術的シーズ=「うちにはこんな技術があるからこんな事をしたい」
0 件のコメント:
コメントを投稿