2012年9月18日火曜日

WCAN 2012 Autumn


先日、WCAN2012 Autumnに参加してきました。夏は参加しなかったので、半年振りとなりました。

今回は4部構成かつ各時間帯毎に3つのセッションから受講するセッションを選ぶという形式。僕はこの形式、結構気に入ってます。それは、登壇される方の講演内容によってはどうしても「今の僕には必要ない」内容のセッションもあったりしますので、そこをある程度回避できるからです。

ただ、正直各セッションの時間がもう少し長いといいですね。みなさんおっしゃってましたが、やはり40分ではそれほど多くのことは伝えられないと思います。とは言え、かかる費用や集客等考えると、このあたりが落とし所なんだろうとは思います。

僕の受講したセッションは以下のとおりです。

C-1:ペンギンとパンダで倒産も。これからのSEOの考え方
アイスタイル株式会社 木村 純 さん

B-2:アホでもWeb制作で食えた!あほ事業部創設までの軌跡
株式会社デック 大屋 慶太 さん

A-3:中小零細企業ECサイトの考え方 - クライアントと良好な関係を築いた考え方
春芳堂 伊藤 清徳 さん

B-4:Gamification Basic Starter Pack
株式会社ディディアイディ 中村 貴弘 さん

我ながら良いセッションの選択をしたと思います。いま僕がやらなければいけないことを考えると、これらを選択せざるを得ないです。(大屋さんのセッションだけは、消去法&タイトルへの興味本位でしたw)。それでは、各セッションを振り返っていきます。

※まだ手元にセッションで使われた資料が届いてないので詳しい記述は避けますが、また資料が届き次第加筆すると思います。


C-1:ペンギンとパンダで倒産も。これからのSEOの考え方
木村さんのセッション、非常にわかりやすかったです。クリエイティブと少し距離のある部分の話は普段なかなか聞く機会が少ないので、非常に勉強になりました。WCAN参加者はいわゆるクリエイターが多いと思いますので、そのあたりを意識した切り口でお話いただけたのが良かったです。おそらく専門的にやられている方からすると物足りなかったのでしょうが、僕の知識レベルに完全にマッチしてました。

SEOはロングテールで
とにかく今、SEOはロングテールが基本だということでした。SEOにリンクが重要項目であることには変わりがないが、リンクの数だけを集めても仕方がない。やはりリンク元のサイトの質が非常に重要だということです。リンク元のサイトの質が良ければ、自ずとCVRが上がり、業績につながるということ(もちろんCV数は、母数が違うので検索からのほうが多い)。

そして、特定のキーワードに頼ったSEOはGoogleのアルゴリズムの変更に振り回されずに済むとのこと。ビッグワードでランクが上がると、もうSEO業者への依頼をやめられなくなってしまう。それよりは総アクセス数を増やすことを念頭に置いた施策が重要になってくるということでした。

SEOにおいて重要な2つのこと
また、SEOで重要な2つのことを教えて下さいました。
ひとつは「ドメインを強くする」ということ。とにかく長く運用し、質の良いサイトからドメインに対するリンクを貰うようにする。

そして、もうひとつが「流入キーワードを増やす」こと。これは先述した通りロングテールなキーワード戦略ですね。特定のキーワードに頼らないSEOということです。

上記ふたつに有用なのが、やはりブログだということでした。ブログの重要性は普段の業務でも指摘されていますが、その理由を明確にお話いただきました。

以上かなりざっくりとまとめましたが、非常に面白く、かつ今後の業務に役立つセッションでした。ありがとうございました。



B-2:アホでもWeb制作で食えた!あほ事業部創設までの軌跡
大屋さんは面識もなく予備知識無しで臨みました。もちろんデックさんのサイトは見ていましたし、複数の友人のSNS上での発言から「面白い人」なんだろうな、とは思っていました。

このセッションでおっしゃっていたことは、「普通にニーズはない」ということだと思います。僕もそう思います。しかしこれを実践するのは非常に難しいことも理解しています。実践しているデックさんは素晴らしいですね。

名古屋では「あほ」だけではむずかしい?
面白いことだけをやって食べていけるのは日本だと大阪と東京だけ?ではないでしょうか。(すみません、他の都市のことは全然わかりません)。とにかく名古屋は、面白いことを面白がる人の総数がどうしても人口比率的に少なくなります。これは、東京で演劇がたくさん上演されているのに、名古屋で少ないのと似ている気がします。名古屋からはバーグハンバーグバーグさんは生まれなかったのではないかと思っています(硬い業務をやられているかは知り得ませんが)。

要は、名古屋で面白いことだけをやっていると、単発の受注はあるのでしょうが継続的な受注は難しいという事だと思います。しかし会社を経営していく以上当然案件を継続的に受注しないといけません。そこで事業部を2つ作る、というお話をしていただきました。

実際の業務にどのように落とし込まれているのか興味を持ちました。また機会があったら聞いてみたいと思います。



A-3:中小零細企業ECサイトの考え方 - クライアントと良好な関係を築いた考え方
伊藤さんは普段業務で接することもあるので、いつも勉強させてもらってます。この日のセッションもかなり掻い摘んでおられたとは思いますが、非常に勉強になる内容でした。

WEBを現実にあてはめて考える
伊藤さんがいつも言われているのは、WEBを現実にあてはめて考えること。もちろん良い仕組みを作る上でも大切な考え方なのだろうとは思いますが、この日言われていたのは、これをやることによって「クライアントのネットに対する意識的障壁を下げることができる」ということでした。

僕も零細企業に対して販促全般に関わらせていただくことがあるのですが、ことWEBに関して言えば最初から「全然わかんない」という姿勢のお客さんが殆どです。その場合、WEB施策を全部業者に投げたりできない中小零細の社長さんに、どうWEBに向きあってもらうかが重要となってきますので、僕にとって結構大きなヒントでした。

あとこれも痛感しますが、その規模の企業は、ブランドコンセプトや企業カラーなどは一切ない場合が多いです。しかし我々がそれを具現化するスキルがあると良いとのことでした。

どの立場にたって考えるか
最後の方に仰っていたのですが「我々は売り手にはなれない。だから徹底して一般消費者になる」とのこと。これ、重要ですよね。売り手の気持ちは売り手しかわからないですが、消費者の気持ちにはなれる。そして、どちらかというとその方が必要な目線となってきます。伊藤さんは実際にオフィスで飼う犬を、その経験を得るためにECサイトで購入されたようです。

その他にもたくさんエッセンスが散りばめられていましたが、どれも今後の業務に役立つ内容でした。


B-4:Gamification Basic Starter Pack
中村さんのセッションは、割りとバズワード感のある「ゲーミフィケーション」についてでした。お話の冒頭で中村さんが「ゲーミフィケーションって言葉、初めて聞いた人」と問われて、かなりの人数が挙手されていたのに驚きました。結構いろんなメディアで取り上げられている印象を持っていたので、8~9割の人が聞いたことあるレベルだと思っていましたが、全然少なかったですね。

ゲーミフィケーションとは
「ゲーミフィケーション」という言葉や説明に使う用語等は、正直ものすごくゲームの話ばかりです。しかしゲームだけの話じゃないというちょっとした難しさがありますね。中村さんのお話は、ものすごくきちんと丁寧にされていましたし非常に面白いものでした。が、聴衆側が一度ゲーミフィケーション関連の書籍を読んで、ゲーム≒ゲーミフィケーションだということを掴んでからでないと、ゲームの話だと取られる危険性があったと思います。

ゲーミフィケーションで必要なこと
ゲームには必要なロールがあるとのことです。

  • ルールクリエイター
  • ゲームマスター
  • プレイヤー
  • エネミー
  • サポーター
  • オーディエンス

上記を実例を上げてマトリクスで示してくださいました。

ゲームを作るときに必ずやることがあると仰っていました。それは以下の5つです。

  • 勝利条件の明確化
  • 関係性構築
  • 行動設計と結果の明示
  • フロー状態への誘導
  • 習熟度の把握

これらがないと、ゲームにならないとのことです。ゲーミフィケーションでは、このゲームを作る方法論を利用して様々なコミュニケーションを円滑にしよというものだと思います。そこにはルール作りも必要だし、ソーシャルな要素も必要となってきます。これらを綿密に設計して、施策へ落としこむことが必要となってくるのでしょう。

正直ゲーミフィケーションは非常に難しいと思いますので、僕自身まだまだ理解できていません。ただ、興味はあるし本も少し読んだので、なんとかうまく業務に取り入れたいですね。

※まだ手元にセッションで使われた資料が届いてないので詳しい記述は避けますが、また資料が届き次第加筆すると思います。